IT業界の人材不足はどう解決する?これからのエンジニアについて

進むIT業界の人材不足に歯止めはかかるのか


少子高齢化が進み、団塊の世代が高齢化する中で、人材不足の問題は将来的な話ではなく、既に課題としている企業は多くなっています。
特に、IT業界においてはエンジニアが枯渇しており、エンジニアを確保するために様々な対応を行っています。
Web業界においてもそれは同様で、Web制作をする人材が足りず、案件を断っているという企業もあるでしょう。
仕事はあるけど人はいないというのがIT業界において良く聞く言葉となり、人材さえいれば売り上げが上がるという状況になっているようです。
そこで、今回はIT業界における人材不足をどう解決していくべきなのか、これからのエンジニア不足の問題についてご紹介していきます。

2050年問題はもうすぐそこまで来ている


2050年問題という言葉がニュースやテレビで目に・耳にするようになりましたが、実際のところ、2050年問題とはどのようなもので、今後日本はどうなっていくと考えられているのでしょうか。

2050年問題とは?

2050年問題とは、このままの推移では、日本の人口が減少し、その中でも生産活動ができる労働人口が減少していき、シニアの割合が今よりも高くなると言われているものです。
そのため、生産活動ができる人口が少ないため、少ない労働力でシニアの介護や生活の支援をしていくことが近い将来必要となってきます。
このような課題を抱えている日本においては、この問題を重要視し、内閣府も様々な施策を打ち出しています。

人口は今後どうなっていく?

日本の労働人口だけでなく、日本人そのものが、2050年には8,000万人ほどになると言われており、現在1億2,000万人と考えるといまよりも4,000慢人も少ない計算になります。
この人口減少の問題の中でも若者は増えず、4割以上はシニアと呼ばれる65歳以上となるため、シニアを支える労働人口の割合が減少すると考えられています。

政府が取り組んでいること

このような労働人口減少という問題を抱える中、内閣府は様々な取り組みをしており、その代表的なものに小中学生のパソコン支給や、プログラミング学習の義務化が挙げられます。

小中学生にパソコン支給

労働人口が減少していく中で、IT技術者を育成するためには、小さいころからパソコンに触れることや、プログラミングに触れること、そして、ITだけではなく考え方の醸成として、プログラミング学習は必要と言われています。
そのような目的だけではありませんが、小中学生には、一人一台パソコンを支給するという動きがみられており、多くの予算をかけて実現させていく方向にあります。
小中学生にパソコンが渡ることで、ITスキルは向上していくことが考えられ、社会全体として、ITの利活用が当たり前になっていくと考えられます。

プログラミング学習の義務教育化

次に、小学生のプログラミング学習の義務教育化があります。
2020年から施行されるこの施策は、現在中学生においては義務化されているものですが、小学生においてもプログラミング学習の義務化をし、小学生の授業の中でプログラミングを通して算数を学んだり、理科を学んだりするなど、授業の中にITを取り入れるということが行われていきます。
これによって、「考え方を養う」や「ITを身近にする」ということが期待できますが、それ以外にも、IT業界においては、エンジニアを育てやすい環境になると言えるでしょう。

企業が取り組んでいることは?


では、実際に企業はどのように取り組みをしているのでしょうか、企業の取り組みを見ていきましょう。

SESという名の派遣

IT業界においては、準委任契約という契約方法によって、派遣とは異なる「人出し」を行っています。
人材派遣とは異なり、システムエンジニアなどを現場に配置して、システムエンジニアの仕事をしてもらうというビジネスで、SESという仕組みを利用して多くの企業がシステムエンジニアを外出ししています。
それでも、人は足りず、さまざまな企業から寄せ集めてきたメンバーによってプロジェクトが組まれ、システム開発を行うということが一般的になっています。

非エンジニアからのエンジニア育成

また、エンジニアとして仕事をしたことが無い方でも、エンジニアとしての仕事ができるように教育環境を整えて、育成することを前提に全くの素人を採用するという動きも見られています。
特に、大手のIT企業においては、専門学校など専門的な知識を学んだ人ではなくても、新卒採用として文系の学校を卒業した未経験者を採用することが多くなっています。
これは、専門学校などを卒業し、Javaなどの専門分野を学んだ人自体が少なくなっていることと、理系の学校に出ていなくても、エンジニアとしてはやっていけるということが社会的にわかってきたことからでしょう。

新人教育の強化

新人教育の強化も多くの企業で行われています。
現代の若者の企業に求めるものの中で上位を占める一つとして、「しっかりとした教育体制が整っている企業」というものがあり、この条件はIT分野だけではなくどの企業でも言えることです。
特に、IT企業においては、昔ながらの「仕事は見て覚える」や「仕事は自分で学んでいく」というような考え方は古く、今では教えてもらうことが当たり前で、教えてくれないことは自分の責任ではないという考え方が当たり前のように広がっています。
このようなことから、新人研修を外部に頼んだり、研修体制を作ったりする企業が多くなってきています。

現実社会のIT人材の課題

ここから、実際の社会において、IT人材を雇用する立場としてどのような課題があるのかを見ていきましょう。

コミュニケーション能力

IT業界と言えば、パソコンに向かって延々と黙々仕事をしており、人とのコミュニケーションが無かったり、ゲームなどが趣味で根暗だったりするイメージを持つ方もいると思います。
ゲームが趣味という方は多いかもしれませんが、実はIT業界こそコミュニケーションを必要としており、システムを開発する上で、チームで行う仕事にコミュニケーションは欠かせないことや、様々な現場やプロジェクトに参加するため、人と円滑にコミュニケーションを図ることは必要不可欠です。
しかし、そのようなコミュニケーション能力に乏しい方も中にはおり、そのような人材においてはIT技術に優れていてもチームで仕事をする際には欠けているということもあります。
その点、理系など、パソコンに興味は無くても、人とのコミュニケーションが円滑にできる人は、IT技術を学ぶだけで仕事を進めることができるため、そのような点から文系の方を採用するということもあるでしょう。

パソコン技能

IT業界であればパソコンは使えて当たり前と思うかもしれませんが、今の世代ではスマートフォンなどの端末の利用機会は多くても、パソコンを利用する機会が少ないため、学生の頃に少し触ったことがあるという程度の方が多く、パソコン技能を保有していない方多いのも事実です。
そのような点においては、今後は小中学生でパソコン支給され、可決していく問題ではありますが、現実社会の今では、パソコン技能は企業にとって課題になることでしょう。

人はいるけど「良い人がいない」

また、人がいないのではなく、「良い人」がいないという声もあります。
コミュニケーションがうまく取れない・技術が追い付かない・かゆいところに手が届かない人材は沢山いるが、それらがうまくできる人材が乏しいという企業の声もあり、人がいればよいというものではなく、良い人材を以下に採用していくかということが企業の課題になっています。

人材確保のマーケティングは?


では、人材確保をするためにどのようなマーケティング活用が必要なのでしょうか。
人材確保をするための活動について見ていきましょう。

求人広告

求人広告は現在様々なものがありますが、Web上での広告利用が一番でしょう。
代表的なものにIndeedなどがありますが、人材募集をするための求人広告は多くの企業で採用しており、求人広告を出すことで結果を出している企業も多くあるでしょう。
求人広告は無料で利用できるものもあれば、費用が掛かるものがあり、掲載するだけなら無料というものもあります。

求人サイト

求人専用サイトに掲載するということもあります。
求人広告には様々な形がありますが、その一つに求人サイトがあります。
求人サイトでは、サイトのドメインが強く、認知度も高いことから、求職者が閲覧する確率が高いものです。
そのため、求人サイトに掲載することで、人材確保できている企業も多いでしょう。

求人雑誌

昔と比べて少なくなりましたが、求人雑誌への掲載も求人のために必要な活動です。
求人雑誌を取る人は昔ほど多くないですが、雑誌のような形態を好む方もおり、掲載することで問い合わせを受けることはあるでしょう。
しかし、ITエンジニアなど、IT業界における求人掲載については、雑誌よりもWebの方が強いでしょう。
雑誌に掲載することでWeb版は無料で掲載できるなどの特典がある場合があります。

ハローワーク

ハローワークでの採用は昔から利用されてきました。
今でもその活動は必要で、多くの企業で利用していることでしょう。
ハローワーク経由で職業訓練などに通う受講生も対象となり、JavaやWeb系の知識・技術を学んだ学生もおり、そのような人材はIT企業にとっては願ってもない人材でしょう。

横のつながり

横のつながりで採用活動をするということもあります。
「こんな人材いないか?」と周りに言ってみることで、そこから紹介を受けて人材確保ができるということもあるでしょう。
特に、企業は人と人とのつながりで成り立っていることもあり、口コミや人の紹介と言う部分は人材確保においても重要な方法と言えるでしょう。

学校訪問

IT業界以外でもやってることですが、学校に訪問して就職課の方と話をしたり、会社説明をする機会をもらったりすることで、学生の確保をすることができるでしょう。
その中でも、インターンなどを受け入れることで、学生を引き込み、将来的な人材確保の活動を行うこともでき、中長期的に学生にアクションを取っていくということも、優秀な人材を確保するためには必要なことと言えるでしょう。

Webサイトでできることは?

次に、Webサイトとしては、どのような活動ができるのかを見ていきましょう。

求人専用のWebページ

Webサイトに求人情報を掲載しているサイトは多くありますが、求人専用のWebページを持っているという企業は多くありません。
募集要項のみを掲載して求人ページとしているところは多く、そのような場合、就職先を探している求職者の方からは、基本的な情報しか伝わってこないため、「ここで働きたい」というのは条件のみで判断することになるでしょう。
そのような募集要項のみを掲載するだけではなく、企業としての魅力をしっかり伝えられるようなページにすることが求められており、そのようなページを持っている企業は、求職者から見ると魅力的な企業に見えるでしょう。

スタッフ紹介専用ページ

求人用のページの中でも、特に目に留まるのはスタッフ紹介の専用ページです。
社内インタビューをするなどして、現在働いているスタッフにスポットを当て、そのスタッフを紹介することで、どのような働き方をしているのか、どんな人が働いているのかを表現することができます。
スタッフの紹介ページを充実させている企業も多く、特に新卒採用で、3年目など、新卒の方に近い方がマネージャーなどの役職が付いているところにスポットを当て、キャリアを積むことができたり、プライベートが充実できたり、研修体系がしっかりしていたりということを伝え、企業のイメージアップを図ることができます。

福利厚生ページ

次に、Webサイトを利用した求人活動の中で力を入れたいのは、福利厚生ページです。
変わった福利厚生をしているという企業や、福利厚生が充実しているという企業などは、このような福利厚生を魅力的に発信すると効果的でしょう。
福利厚生が充実しているということは、求職者からすると魅力的な企業に見えます。
例えば、毎年1度は海外に出張させて勉強させているというものや、提携しているお店ではビール1杯無料など、働いている側からすると当たり前になっている福利厚生は、求職者からすると魅力的にうつったりするものです。
このような福利厚生をしっかりと表現することも、他社と差別化をするポイントになるでしょう。

自社のエンジニアを募集するには?

最後に、自社のエンジニアを募集する方法について、効果的な方法を見ていきましょう。

非エンジニアの獲得

やはり、エンジニアの卵として専門学校や大学などを出る学生は母体数が減っているため、非エンジニアなどの獲得が必要と言えるでしょう。
これは、新卒採用だけではなく、中途採用でも同じことで、これまで全くITに無縁だった方でも、パソコンの操作ができれば、エンジニアとして育てることができます。
時間はかかるかもしれませんが、エンジニアとして育った後にその育成費を回収することを考えれば、長期的に見ると育成してでもエンジニアを獲得することが必要と言えるでしょう。

講師として学生と接触

次に、講師として学生と接触するという方法があります。
例えば、専門学校や職業訓練校など、さまざまなところで外部講師を募集しており、講師自体の数が足りない状況となっており、そのような中で外部講師として学生との接点を設けることで、学生の獲得はしやすくなるでしょう。
そこから働いてもらうということを考えると、学生の教育にも力が入り、講師の特権ですが優秀な方から採用していくということも不可能ではないでしょう。

海外人材の獲得

日本だけではなく、海外の人材確保も視野に入れる必要があるでしょう。
今では中国やタイなど人件費が上がり、日本人の採用と同じような形となっているため、ミャンマーやカンボジアなど、人件費を抑えられるような国の方を採用するという動きが出ています。
日本人よりもどん欲に技術を学ぶ方もおり、言葉の壁を取ってしまえば、技術的には問題ない方が多いでしょう。

家庭に眠る人材獲得

また、家庭に眠る人材の掘り起こしも必要となります。
例えば、主婦やニートなど、これまでITとは無縁の方でも、ITの楽しさや在宅でできる仕事などをしてもらうことで、企業の労働力として活躍してくれることもあるでしょう。
いまではフリーランスとして、家では介護をしながら在宅でITの仕事をするという方もいるため、家でもできる在宅の人材確保もこれからは視野に入れていく必要があるでしょう。

まとめ

これまで、IT業界における人材確保をするためにどのような活動ができるのか、どのような人材を獲得していくことが必要になるのかをご紹介してきました。
マーケティングの視点においては、人材確保もお客さんの獲得と同じように重要な部分となり、企業はエンジニアだけではなく、事業の繁栄を図るにはマーケターも育てていかなければならないでしょう。