イノベーター理論って何?いまさら聞けないマーケティング用語

イノベーター理論とは


イノベーター理論という言葉を耳にしたことはありますでしょうか?
新しいサービスや商品が日々開発されて世の中に出ています。例えば、今ではわたしたちが当たり前に利用しているスマートフォンに関しても、AppleからiPhoneが発売されるまでは、今ほどメジャーな商品ではありませんでした。
このように、世の中に新しいサービスや商品を市場に普及させ、広めていくためには、自社サービスや商品の市場自体を大きくするための戦略が必要となります。そして世の市場への普及に関する理論をイノベーター理論と言います。このイノベーター理論を攻略する事により、自社サービスを世の中に普及する事が可能となります。

イノベーター理論とは?


イノベーター理論とは、新しいサービスや商品の市場への波及度を顕したマーケティング理論の事を言います。こちらは、スタンフォード大学のロジャーズ教授が「イノベーション普及学」と言う著書内にて記しております。
イノベーター理論によると、ユーザーは5つの層に普及の過程を分類されており、それをもとにマーケティング戦略や市場の生活サイクルについても検討する事を勧めています
画期的な新しいサービスや商品を世間に普及させるための理論であるイノベーター理論であって、新サービス・商品を展開させていく上でも重要な指標となる理論でもあります。

イノベーター理論の5つの種類


イノベーター理論とは、新しいサービスや商品を購入する消費者を5つのタイプに分類し、新しいサービス及び、商品の市場への広がりまでの流れをまとめた普及の理論学のひとつとなります。

■イノベーター (革新者)2.5%
■アーリーアダプター(初期採用者)13.5%
■アーリーマジョリティー(前期追随者)34.0%
■レイトマジョリティー(後期追随者)34.0%
■ラガード(懐疑派)16.0%

イノベーターとは

最初にサービスや商品を採用する層です。別名、革新者と呼ばれており、2.5%が分類されると言われています。
イノベーターの特性としては市場感度が非常に高く、新しいものを積極的に取り入れる好奇心旺盛な層です。
「新しい」ということに価値を感じるため、市場にまだ普及していなく高価格のサービスや商品であっても、自身の価値観にあったものであれば、取り入れ支えてくれる存在となります。

アーリーアダプターとは

イノベーターほど先進的ではありませんが、これから流行・普及するかもしれないサービスや商品をいち早く注目し、購入するユーザーの事をアーリーアダプターと言います。別名、初期採用者とも呼ばれております。
13%がアーリーアダプターと言われており、アーリーアダプターの特徴は、流行に対する感度が非常に高く、常にアンテナを張って生活しております。これらから流行りそうなものを取り入れる事で、世の中や業界のオピニオンリーダーやインフルエンサーになります。
アーリーアダプターは、その後に続く層に対する影響力も大きく、サービスや商品が市場において普及させるためには、5つの層の中でも、最も集中して攻略すべ重要な層であると考えられています。

アーリーマジョリティーとは

新しい情報への感度が割と高めであるが、新しいサービスや商品を利用する事に対して消極的なのがアーリーマジョリティーと言います。別名、前期追随者と呼ばれており、34.0%存在していると言われています。
アーリーマジョリティーはアーリーアダプターが言っている事に左右され、影響を受けるため、アーリーマジョリティーを攻略するには、アーリーアダプターをしっかり攻略する事と、サービスや商品を導入する、合理的な理由をしっかり説明する必要があります。

レイトマジョリティーとは

新しいサービスや商品に対しては保守的な考えで、なかなか採用しない層をレイトマジョリティーと言います。別名、後期追随者と呼ばれ、こちらも全体の34%を占めています。この層は、一般の多くの人がすでに利用している、あるいは、導入している方が多数派である事の確証を得てから利用するユーザー層の事を言います。このレイトマジョリティー層に広げるためには、普及率さらに広める必要があります。

ラガードとは

イノベーター理論による5つの層の中でも最後になるのが、ラガードと言います。別名、懐疑派とも呼ばれており、16.0%になると言われています。ラガードはイノベーター理論の中では一番保守的で、新サービスや商品を広めていくだけではなく、国内のカルチャーとなるまで、その商品を利用する事が日常レベルにならないと利用しない層となり、とても慎重です。ラガードを攻略するためには、すでにサービスや商品が世の中の定番となっている事をアピールし、次のトレンドになりそうな「新しさ」よりも安心出来る事をアピールする必要があります。

マーケターが意識すべき戦略について

イノベーター理論によると、市場は5つのタイプに分類され、それぞれの特徴を踏まえた上で、個別に攻略していく事が、新しいサービスや商品を世の中に普及、浸透させていくためには必要であって、各層の取るべき戦略をまとめました。

イノベーターへの戦略とは

イノベーターに対する戦略は、革新的なテクノロジーを使っている事や新しいコンセプトをもたらすサービス、あるいは、商品である事をアピールする事になります。そう言われると、一見難しそうに思いますが、初期段階の市場においては求められる事は、「目新しさ」だけです。
そのため、これまでにない新しいテクノロジーや概念であれば、イノベーターの方から興味を持って自然にこちらへアプローチしてきます。

アーリーアダプターへの戦略とは

アーリーアダプターに対する戦略は、イノベーターのように新しいものを追求するだけではなくて、次の流行を作りだす事をイメージさせなければいけません。新しいサービスや商品が何をもたらすのか、個人よりも市場に対して、ベネフィットを示すことが大切です。
新しいサービスや商品を体験、所有する事が、自身の影響力につながると感じれば、アーリーアダプターは熱意を持って情報の発信を行ってくれます。

アーリーマジョリティーへの戦略とは

アーリーマジョリティーに対する戦略は、アーリーアダプターの発信を追随する施策や、インフラを提供する事となります。例えば、SNSを使ったキャンペーンを行うなど、早い段階で利用してくれたユーザーにメリットを提供する事で、アーリーアダプターからアーリーマジョリティーへ繋がる事が出来ます。
しかし一般的には、アーリーアダプターからアーリーマジョリティーへと繋げることが一番むずかしいと言われています。

レイトマジョリティーへの戦略とは

レイトマジョリティーに対する戦略は、商品利用のベネフィットよりも商品利用によってベネフィットを感じている人が多くいる事をアピールする事が大事です。商品を利用しないと「もったいない」といった感情を持たせないとなりません。企業コラボサービスや商品イベントを行う、大規模な広告展開を行うなどすると、何度も新サービスや新商品を刷り込むのと同時に良い印象を与えるのが良いでしょう。

ラガードへの戦略とは

ラガードに対しては、新しいマーケティング取る必要はありません。
アーリーマジョリティーやレイトマジョリティーに対し、サービスや商品離れが起きないように、コミュニケーションを取り続けることで、サービスや商品離れが起きないようにフォローし続ける事で、ラガードの中から段階的に必要である事を感じて、利用者が増える傾向があります。

イノベーター理論の重要性について

イノベーター理論とは、市場におけるユーザーをサービスや商品の普及具合よって5つに分類した理論となります。新しいものを積極的に取り入れるイノベーターと、保守的で伝統的なサービスや商品しか採用しないラガード層では価値観に相違があるため、段階的に各層において、段階的に適したアプローチを行う必要があります。
そのため、新しくサービスや商品を世の中に出す。あるいは、現在、新商品の普及に努めている場合は、このイノベーター理論を念頭においた施策を行う事が肝要となります。

キャズムとは?


キャズムとは、「隔絶・溝」「深い裂け目」を指す言葉です。
イノベーター理論による、イノベーターとアーリーアダプターで構成されているのが市場の初期段階とします。
そして、「アーリーマジョリティー」と「レイトマジョリティー」によって構成されるのがメインストリーム市場となります。そしてこれらの間には簡単には「越え難い溝、つまりキャズムがある」と言うのがキャズム理論です。
キャズム理論は、イノベーター理論において定説とされていた「市場の初期段階を担う層を重要視すべき」と言う考えを一変させました。アーリーアダプターとアーリーマジョリティーの間にあるキャズム=溝を超えなくては、新しいサービスや商品を市場に出しても世の中に浸透させる事は難しく、成熟期を迎えることなく初期段階で消えてしまう事になるという考えです。
流行に敏感で、他の人が体験した事がない、持っていない事にモチベーションを上げるアーリーアダプターに対し、アーリーマジョリティーは、「たくさんの人が持っている」事で安心する層です。そのため、まだ一部の人しか使っていない初期段階の状況は、アーリーマジョリティーにサービスや商品購入をためらう理由にはなっても、購入のきっかけにはなりにくいです。

キャズムが生まれる原因

市場の初期段階とメインストリーム市場の間にキャズムが発生する原因はどういったことなのか。それは2つの市場の消費者と価値観の違いにあると考えられます。
初期段階では、消費者は「新しい」事に価値を感じ、サービスや商品を購入する傾向にありますが、メインストリーム市場のユーザーは同様に「新しい」事に価値を感じるとは限りません。有名な誰かがお墨付きを与えている、サービスや商品のクオリティが安定している、費用対効果が高い、周りの人が使っているなど安心して購入出来る要素が必要となります。
初期段階では、イノベーターとアーリーアダプターを足しても約16%しか存在せず、メインストリーム市場と呼ばれ層は84%になります。キャズム理論は、大多数を占める市場への攻略の重要性についての理論であり、このキャズム=溝を越えられないビジネスモデルは、当初の予測よりも市場が大きくならず、事業として採算が合わずに倒産してしまう場合があります。

キャズム対策

キャズムが生まれる理由が分かれば、キャズムの壁を乗り越えるヒントが見えてきます。まずは、初期市場とメインストリームを分けてマーケティングを考える事が必要です。まず、初期市場の攻略法といえば、なんと言っても最先端や新技術をアピールする事です。一部の人に向けてピンポイントで宣伝を行うなど、インフルエンサーへ向けてアピールするのが良いでしょう。一方、メインストリーム市場向けには、アピールポイントを「使いやすさ」や「安心感」に設定するのがベストです。生活を変化させてしまうような大胆なキャッチコピーは使わず、生活の一部に溶け込んでいる身近なものに擬えて、少しだけ便利な、価値のあるものになる事をアピールします。

イノベーター理論をWebマーケティングに活かすためには

イノベーター理論やキャズム理論の核心にあるものは、セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング(STP)といったマーケティング戦略の基本となるものです、このSTPを考慮せずに自社商品をアピールしたのでは期待する効果は出にくいでしょう。
市場をセグメント化した上で、自社にあったターゲット設定し、ユーザーのニーズや、競合他者との差別化を考慮しながら自社の勝てるポジショニングを行わなくてはなりません。
ポジショニングを決定する際には、市場の成熟度を十分見極めた上で、主流と考えるべき顧客層がイノベーター理論のどの層に当たるかを十分に考慮する必要があります。

STP分析の活用

STP分析とは、セグメンテーション(市場の細分化)・ターゲティング(ターゲット層の抽出)・ポジショニング
の3つの頭文字をとった分析手法の事を言います。ターゲットの絞り込みと自社サービスのポジショニングを設定し、どういった市場で、どのような価値をアピールしていくかを決めます。

セグメント(市場の細分化)

セグメントとは市場を細分化し標的市場を決定する事を言います。セグメンテーションは同じようなニーズを持つ顧客層に分けて考える事を意味し市場の細分化と訳されます。
新しくサービスや商品などを展開するにあたって、重要なポイントのひとつが、サービスや商品を利用してもらいたいユーザー像を明確にする事です。ターゲットが明確でない場合は、ベルソナ像の設定も出来ないため、どういった人の課題を解決するサービスや商品なのかが曖昧になってしまいます。

ターゲティング(ターゲット層の抽出)

ターゲティングとはターゲット層を抽出する事を言います。細分化された市場を評価して、どういったセグメントを自社のターゲットとするのかを決定します、自社サービスや商品のコンセプトやブランドイメージ、価格にマッチした消費者のグループを設定していきます。セグメンテーションを行う事で、自然にターゲットグループが見えてきます。

ポジショニング

ポジショニングとは、自社サービスや商品の立ち位置を明確化し、競争における自社の優位性を設定する事を言います。ポジショニングでは決定したセグメントの中にある、競合他社のサービス・商品と自社のサービス・商品の立ち位置を決めていきます。対象となる商品・サービスの特徴から属性の軸を決め、そこに競合他者と自社を比べて有利になるかを念頭において変数を設定します。変数は市場のニーズに合わせて自由に設定しますが、基本的には、最大4つまでに絞り込みます。

まとめ

イノベーター理論とは、市場におけるユーザー層をサービスや商品の普及率に合わせて5つに分類した理論になります。新しくサービスや商品を世の中に出す場合は、イノベーター理論を念頭においた施策を行う事が必要です。
アーリーアダプター層がどれだけ商品の素晴らしさを伝えても、アーリーマジョリティーは、多くの人が使っていて大丈夫であると安心してから購入するのでここを解決しないと、市場における、サービスや商品の利用率を上げることは難しく、ここのアーリーアダプター層とアーリーマジョリティー層の溝をキャズムと呼び、このキャズムを超える事がイノベーター理論の最重要ポイントなのです。
そして、キャズムを超えるには、STP戦略といったマーケティングプロセスを使い、それぞれセグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングを定義し、競合他社と比べた自社の優位性や、勝負すべき市場の成熟度をしっかり見極める事が必要となります。