デジマには欠かすことが出来ない「エンゲージメント」とは?

マーケティングの常識、エンゲージメント


近年、デジタルマーケティングの世界で「エンゲージメント」という言葉がよく聞かれます。会社においては、企業の従業員の親密さや結びつき、共感などをさす言葉で、マーケティングの世界で使う時には、企業のブランドに対しての忠誠心をも指します。
社員が従来はひとりひとりのパソコンでそれぞれ違う作業をしていましたが、現在ではひとつの同じクラウドで仕事をするという事例も増えた今、このエンゲージメントは非常に大切です。
また、マーケティングの世界でも近年導入企業が多くなってきているデジタルマーケティングにおいても、ユーザーが企業に対して感じる「エンゲージメント」はとても重要で、すでに個々のユーザーに対して配信するWebマーケティングだけでは成立しなくなってきています。
ここではデジタルマーケティングに欠かすことが出来ない「エンゲージメント」についてご紹介します。

デジマには欠かすことができない「エンゲージメント」とは


「エンゲージメント」とは、もともとの意味をたどってみるとマーケティング用語ではなく、忠誠や約束、献身といった意味になります。例えば、結婚するときに夫婦がお互いに贈り合う「エンゲージ・リング」も生涯忠誠を誓い互いに添い遂げる証として相手に贈られますよね。
一方で企業経営の世界では、従業員の忠誠や献身を意味し、会社のために一生懸命に働くと誓うことを意味します。いまやこういう古風な会社も珍しくなってきましたが、その代わり、会社側としても従業員のケアが必要なので、働きやすい職場にしたり福利厚生を充実させたりなど、努力を重ねなくては従業員の離職率が高くなってしまいます。エンゲージメントとは単に従業員が会社に対して忠誠を誓うというだけではなく、会社側も従業員に働きやすい職場にすると誓うことをも意味するようになってきました。

そしてデジタルマーケティングの世界では、広告主である企業の持っている商品ブランドとユーザーの間の忠誠心などを指します。ユーザーがそのブランドに興味を示すと、マウスをオンするだけで現れる「エンゲージメント広告」などがそのいい例です。
ユーザーはそのブランドのことが好きで気になるがゆえに、もっと深くそのブランドのことを知るために広告にマウスをオンし、もっと深くそのブランドのことを知りたいと望んでいるのです。まさにこれが現代のマーケティングに必要なことなのです。

一度その企業の商品を買ってくれるだけではなく、ユーザーに情報発信をしてブランドのことを熟知させ、ナーチャリングを繰り返してもっともっとそのブランドを好きになってもらい、リピートして買ってもらう、これが現在のマーケティングの理想とするところです。
このことから、元来はまったく違う意味であった「エンゲージメント」ですが、デジタルマーケティングの波に乗って、忠誠や献身を意味するようになり、そのコンセプトが広告にも取り入れられるようになってきました。

デジタルマーケティングの潮流

近年は広告の世界ではデジタルマーケティングが主流で、ユーザーがPCやスマートフォンを見ている時に、いままでのCookieを利用してその人が興味のある広告が自動的に表示されることや、現在では動画の広告も表示されてるようになってきています。
PCやスマートフォンをみているユーザーの興味がある事柄をマーケティング側は自動的に把握できるだけではなく、いまや絶妙なタイミングでその人に適切な広告を配信したりすることもできます。
しかしその人が興味のある商品ジャンルであっても「どれだけそのブランドに忠誠心があるか」によって、広告を見てくれるかどうかの率が変わってきます。

Webマーケティングだけでは足りない

このように従来はタイミングを見計らってそのユーザーにぴったりな広告を配信していただけだったのですが、忠誠心があるかないかも大きく関わってくることがわかってきました。
ブランドに忠誠心を感じるユーザーは、そのブランドのSNSも頻繁に閲覧し、いいねやリツイートなどなんらかのアクションを起こしてくれるようになります。そうすることで、SNSで拡散され、特にTwitterなどでは、もともとその人のことをフォローしていない人にまでタイムラインで拡散されます。
SNSのマーケティングへの影響はかなりのもので、エンゲージメントが向上しているユーザーだけではなく、いままで全くブランドのことを全くしらなかったユーザーにまで情報が届くことになります。
かつては情報がユーザー間で広まるには「口コミ」が必要で、マスコミもそれに一役買っていましたが、現在ではマスコミの介入もなくして、影響力は自ら作り出すことができる点がすごいと言えるでしょう。

SNSの活用が欠かせない

インターネットがまだなかった時代は広告といえば新聞広告、TV、ラジオなどのメディア広告が主でした、しかしインターネットが普及し、SNSが登場してくるとマーケティングの世界も大きく変わります。そこに生まれてきたのは即時的で双方向なコミュニケーションです。
今までは広告主からユーザーへの一方通行だったのが、ユーザーからの声を聞けるようになったのです。それに対して広告主もレスポンスを返し、コミュニケーションが盛り上がっていきます。
しかし単にコミュニケーションを繰り返しているだけではなく、企業は真にユーザーに必要とされる存在とならなくては、商品も買ってもらえません。そこで、付かず離れずの関係を保ったまま、ユーザーとのコミュニケーションを続けるという、難しい選択を迫られることとなってきました。
それにはユーザーを満足させるだけの充実したコンテンツを継続できるだけの力量が必要とされます。少しでも力を抜くと、敏感なユーザーはそれを素早く感じ取り、離れていってしまいます。

エンゲージメントの語源


エンゲージメントとはもともとは結婚を決めた人に事前にわたすリングからもわかるように、生涯の伴侶となる人に忠誠を誓い、献身を意味する言葉でした。それからどのように派生して行ったのでしょうか?

エンゲージメントとは

エンゲージ・リングに見られるような忠誠、信頼、そして献身を意味するエンゲージメントが派生して、企業の従業員が会社に対するの忠誠心や献身となり、マーケティングの世界に置き換えるとユーザーが一企業やそのブランドに抱く忠誠心や献身を意味するようになりました。
たったひとつの「エンゲージメント」という言葉ですが、そこから派生して企業内の人間関係を表すことばや、マーケティングの顧客と企業の関係を表すことばにまで発展しました。
また1990年代後半になりインターネットの登場、2010年代前半のSNSの登場によって、生身の「人同士」のコミュニケーションが阻害されるようになったかと思いきや、インターネットの裏側ではもっと熱いコミュニケーションが繰り広げられるようになってきているのです。

器械を通してのやり取りとなり、人同士のコミュニケーションが薄くなったと思いきや、インターネットやSNSの中では、人はブランドなどに対する熱い思いをストレートに表すことができるものです。まだ人は熱い思いを忘れていなかった、SNSの時代になったからこそ、自分の思いを表現する機会が生まれてきたと言ってもいいでしょう。

企業側にとっても、ユーザーがブランドに対してどんな思いを抱いているか、商品に対しての思いを、SNSなどを通して知ることができるため、むしろ以前よりもマーケティング活動がやりやすくなったのかも知れません。

エンゲージメントの意味

エンゲージメントはもともと「約束する」ことから派生して忠誠や献身を意味する言葉となりました。それは現在も結婚式の前に贈るエンゲージ・リングからもわかるように、絶対的な忠誠や献身を意味します。
面白いことにそれは企業と従業員の関係や広告主とユーザーの関係にも使われるようになってきたのです。

デジタルマーケティングにおけるエンゲージメントとは

デジタルマーケティングにおけるエンゲージメントとはまさにユーザーと企業との関係にあります。これはユーザーがその企業の商品を気に入るあまり、その企業も好きになり、その結果、企業のSNSでも頻繁に閲覧したり、アクションを起こしたりすることを意味します。
現代のマーケティングとはただ企業名や商品名を覚えてもらうだけでは不十分なのです。気に入った商品があったら、それを顧客に売り、アフターケアなどは請け負うものの、それで関係は終わりでは、すでになくなってきているのです。

つまりユーザーに企業やブランドを好きになってもらい、一度だけではなく何度も繰り返して購入してもらうことに意味があります。そのブランドを好きになってもらった上に、繰り返しリピートして購入してもらわなくてはなりません。
そのためには企業側も知恵を絞って充実した面白いコンテンツを発信し、ユーザーの気持ちを鼓舞させなくてはいけません。
昔のように企業対マスではなく、企業とパーソナルとしてのユーザー、1対1に単位が変わってからこそ、よりいっそうユーザーの忠誠心を獲得できる可能性が高まってきたと言えるでしょう。

エンゲージメント率とは?

現在はそのユーザーが企業に対する忠誠、情熱を数値化して「エンゲージメント率」として測定することができます。これはいったいどのような数値なのでしょうか?端的に言えば、SNSの投稿に対する、閲覧者の反応を数値化したものと言えます。
その企業の商品やブランドが大好きなユーザーが多ければ多いほど、エンゲージメント率は高いと言えます。

しかし数値上でエンゲージメント率が高くても、炎上商法のようにネガティブな投稿で炎上させて売上に結びつけるなどとということもあるので注意が必要です。
数字だけに頼るのではなく、ユーザーがどのように反応してくれているか、どのような感情で企業と接してくれているのかも把握する必要があると言えます。

ただしSNSの種類によってはエンゲージメント率の計算方法が異なる場合があります。いったいどのように違ってくるのでしょうか?

Facebookにおけるエンゲージメント率


では、SNSの中でも企業がビジネスとして使っている確率が高いFacebookでは、エンゲージメント率はどのように計算するのでしょうか?
計算方法
Facebookのエンゲージメント率は、ある投稿がされて、いいね!やコメント、クリックして人数のカウントを言います。

計算式としては次のようになります。
(投稿にいいね!・コメント・シェアまたはクリックをした人数・エンゲージメントの総数)÷投稿のリーチ数×100
ポイントとなるアクション
ポイントとなるアクションは投稿に対して「いいね!」を押したか、またはコメントを書き込んだか、それをシェアしたかでカウントされます。つまり投稿を閲覧したたけではポイントとして還元されず、リツイートやフォロー、コメントの書き込みなど、わかりやすい具体的な行動をお越しどうかがポイントとなります。
Twitterにおけるエンゲージメント率
では、Twitterにおけるエンゲージメント率はどのようになっているのでしょうか?

計算方法

Twitterにおけるエンゲージメント率はアナリティクスのツイートタブでわかります。
エンゲージメント(画像・動画・リンク・プロフィールのクリック、リツイート、返信、フォロー、いいね)の数をインプレッションの合計数で割って算出します。

エンゲージメントの総数÷インプレッションの合計数×100

インプレッションの合計数とは、「ツイートを見た回数」を意味します。ただし、ユーザーがTwitterを閲覧したあとで、他の投稿を見に行き、再度その投稿を見に来た場合、閲覧したユーザーは1人なので、リーチは1となります。カウントでのリーチ数とのずれを理解した上で計算することが望ましいと言えます。

ポイントとなるアクション

ポイントとなるアクションは、Twitterのツイートに対してクリックしたか、リツイートしたか、または返信したか、そのユーザーをフォローしたか、いいね!を押したかでカウントされます。
つまりTwitterでの投稿に対して、閲覧するだけではなくなんらかのアクションを起こさないとカウントされないということになります。

Instagramにおけるエンゲージメント率

また、「インスタ映え」という言葉まで生まれ、社会現象まで引き起こしたインスタグラムにおけるエンゲージメント率とはどのようなものなのでしょうか?

計算方法

まずインスタグラムでは、普通に登録して写真を投稿するだけではなく、ビジネスモードに登録しているユーザーである必要があります。ビジネスモードにすると、ユーザーの閲覧数やどの投稿に対して反応があったかなどを知ることができます。
しかしながらインスタグラムにはTwitterのリツイートやFacebookでのシェアにあたる機能がなく、「いいね!」しか存在しませんので、他のSNSのように爆発的に拡散するということはありません。そのため、「保存」エンゲージメントとして算出します。

なお、インスタグラムの管理画面には、「エンゲージメント」という項目がないので、自分で計算する必要があります。
インスタグラムにおけるインプレッションの計算式は次の通りです。

エンゲージメントの総数÷(インプレッションorリーチorフォロワー数)×100

インスタグラムでは、TwitterやFacebookのように、分母がインプレッション、リーチとは決まっておらず、エンゲージメント率の項目もないため、分母を自分で設定した上、計算も自分でする必要があります。
分母にはインプレッション、リーチ、フォロワー数のうちのどれを設定しても問題はないのですが、途中で分母を変更すると、これまでの数字と比較できなくなってしまうため、変更は避けましょう。

ポイントとなるアクション

インスタグラムの場合、他のSNSに比べて、爆発的に拡散させる、自分のフォローしていない人にまで拡散させるというこができません。そのため、いいねをするか、コメントを書くか、画像を保存するかの行動がエンゲージメントと考えられています。
インスタグラムの場合はビジネスモードにしていると、アクセスしてきた人の総数やアクションを起こした人の総数を知ることができます。
Facebookと統合してからというもの、時系列の表示からFacebookと同じアルゴリズムを採用しています。そのためフォロワーの興味を引く魅力的な投稿がエンゲージメント率を引き上げるものと考えられています。

エンゲージメントが重要なワケ

それではなぜエンゲージメントが重要なのかについて考えてみましょう。
SNSでは、ただそれを閲覧するだけではなく、それを見てなんらかの行動を起こす(エンゲージメント)ことで、その投稿をした企業にユーザーがどれだけエンゲージメントを感じているかを測ることができます。
その度合いを知ることは、どれだけ忠誠心をもったファンがいることを知ることに繋がり、今後にマーケティング活動に重要な意味を持ちます。

エンゲージメントを高める方法

それでは、エンゲージメントを高める方法についてご紹介します。

1.ペルソナを設定する

読み手の人物像を考えず、ただ漠然と投稿しているだけでは、ターゲットがぼやけてしまいます。「20代男性」とか「30代女性」などとペルソナを設定し、それらの人に向けて書くようにすると、ターゲットが定まって刺さる投稿が書けるでしょう。

2.ユーザー目線のコンテンツを作る

書き手がそうだからといって、一般のユーザーの目線を飛び越えた次元のコンテンツを作ったらどうでしょうか?ユーザーは自分とあまりにかけ離れているため、ついていけなくなり、離脱する人も増えてきます。まずは、設定したペルソナから、ユーザー像を想像し、それに最適なコンテンツを作っていきましょう。

3.ユーザーとのコミュニケーション

いくら広告がアーティスティックでエンゲージメント率が高くても、ユーザーとのコミュニケーションがないとそのうちユーザーは離脱してしまいます。なんといってもユーザーとのコミュニケーションは親近感を深め、そこからユーザーのニーズを汲み取るだけではなく、きちんと返信をしたりしているうちに、親身に応じてくれたと感じさせるようになればエンゲージメント率も次第に高まっていくでしょう。

まとめ

ここではデジタルマーケティングにはもはや欠かせない「エンゲージメント」についてご紹介しました。
このエンゲージメントは、マーケティングの世界ではユーザーと企業との結びつき度合いを示す語です。ユーザーが企業に対して感じるエンゲージメント率が高いほど、ロイヤルティが強く、今後のマーケティングにも影響を与えると言えるでしょう。