メルカリのマーケティングから学ぶ消費者行動やマーケティング

メルカリ流行から考えるマーケティング


ここ数年で、消費者の動きに大きな変化がありました。
消費者行動は昔から時代とともに変化していくことが当たり前で、企業はその消費者の行動の変化を確認しながら、時代に合わせてマーケティングの手法も改善させていくことが求められてきました。
この変化に対応できない企業は、時代とともに事業の継続が難しくなり、集客や販売が伸び悩み、最後は価格競争に走り、倒産という結果を作っていく企業も少なくありません。
インターネットを利用した商品の販売やサービスの提供は、今や消費者が行動を起こす中心的な存在となっています。
そのため、そのような消費者に向けて、デジタルマーケティングを行っていくことは、企業にとって重要なことでしょう。
今回は、そんな消費者行動が変化した中の大きな影響を与えているであろう「メルカリ」について掘り下げていき、メルカリのマーケティングから我々が学ぶべきものを取り上げていきたいと思います。

メルカリとは?


まずは、メルカリとはどのようなものなのか、見ていきましょう。
メルカリは、インターネット上のフリーマーケットサービスを提供しているもので、ブラウザからもアプリからも利用することができ、多くのユーザーがスマートフォンのアプリから様々な商品の売買をしているものです。

メルカリが流行している背景

メルカリが流行しているのはなぜなのでしょうか、背景を見ていきましょう。
メルカリは、これまで商品を販売したりフリーマーケットに出品したりしたことが無い方でも簡単にスマートフォンだけで商品を販売することが出来る手軽さを持っているため、誰にでも手軽にできることから、幅広いユーザーを集めていると言えるでしょう。
また、Forever21の日本撤退からわかるように、時代は「新品」や「所有」を望んでおらず、「シェア」や「中古品」というものに注目されているようです。
これまでは、高級車を欲しがる若者がいたり、高いものを持ちたかったりという所有に対してのニーズがありましたが、今の若い世代の子たちは車を持ちたいと思っておらず、使いたいときに借りればよいという気持ちが強くなっています。
このことからわかるように、現代においては新品のモノを所有したい気持ちよりも、飽きたら販売して別の流行のモノを安く購入するという消費者ニーズが強くなっているようです。

メルカリを利用するユーザーの層は?

メルカリを利用するユーザーの層はどのような層になるのでしょうか。
メルカリのユーザー層は幅広く、10代から60代以上まで利用されています。
ユーザーのシェアというよりも、売上のシェアでいうと、年代が高くなればなるほど、メルカリの中での客単価は高くなり、60代以上では3万円を超す平均単価となっています。
男性と女性で購入されているものは異なり、男性の場合は、トレーディングカードや、テレビゲーム、トップスなどがシェアを占めています。
60代以上では、ゴルフグッズやPCなどが販売されているようです。
女性の場合には、10代はタレントグッズ、30代以降はバッグが一番の人気商品となっているようです。

メルカリはなぜ利用される?

メルカリはなぜここまで利用者数が多いのでしょうか。

利用のしやすさ

メルカリが流行し、利用者数が増えているのには、利用のしやすさが挙げられるでしょう。
登録から商品販売まで1日かからずにできてしまい、一瞬にして全国に広がってユーザーの目に届くため、手軽さと素早さがメルカリユーザーを多くしている要因となっているでしょう。

登録のしやすさ

メルカリのユーザー登録は、簡単にできるようになっており、ユーザー登録のしやすさも、ユーザーを多くしている理由の一つとなっているでしょう。
現代の消費者の行動を見ていると、「簡単」「手軽」「わかりやすい」という部分が無ければ、行動に移しづらいと言えるでしょう。
先が見えないものや、ゴールが見えないもの、わかりづらいもの、操作が難しいものなどは、ユーザーを離れさせてしまう原因となるでしょう。

アプリ内マーケティング

アプリ内マーケティングとは、アプリの中でユーザーに向けて通知を出したり、お知らせを表示したりするもので、アプリを運営している企業であれば、このアプリ内マーケティングがしっかりできていないことは、折角登録したユーザーを失ってしまうことになるでしょう。

メルカリが行っているマーケティング活動

メルカリが行っているマーケティング活動について見ていきましょう。
メルカリでは、マーケティングは大きく4つの機能に分かれています。
ファネルごとにそれぞれのKPIを定めてマーケティングをしているため、それぞれが細かく設定されています。
顧客とのコミュニケーションを行っていく中で、共通していることは、各メディアでターゲットとなるユーザーに対して、ユーザーごとやメディアごとにクリエイティブを選定しているということが、効果的なマーケティングを実現している一つと言えるでしょう。

オフライン・マーケティング

メルカリの4つのマーケティングのひとつは、「オフライン・マーケティング」です。
オフライン・マーケティングとは、インターネット以外のマーケティング手法で、テレビコマーシャルや、PRイベントなど、多くのマーケティング活動を行っています。
メルカリ自体はインターネットを利用したサービスですが、マーケティングにおいてはインターネット以外のマーケティングにも注力しており、特にテレビコマーシャルは、多くの消費者の目に届いたことでしょう。

オンライン・マーケティング

オンライン・マーティングとは、その名の通り、オンラインによるマーケティングです。
インターネット上のサイトにGoogleアドとして広告を表示させたり、Googleディスプレイ広告やリスティング広告を行ったり、SNSを利用した広告など、広告だけではなく多くのデジタルマーケティングを行っています。

ハイブリット・マーケティング

ハイブリット・マーケティングとは、タレントなどを起用して、出品キャンペーンを行ったり、インフルエンサーなどを起用してサービスの認知を高めたり、認知しているユーザーに向けてインストールを促したりなど、タレントやインフルエンサーなどの有名人を起用してマーケティング活動を行っています。

グロース・マーケティング

グロース・マーケティングというのは、新規ユーザーと既存ユーザーに向けてポイント発行やクーポン発行をいて利用の促進をしています。
オンラインだけのマーケティングだけではなく、オフラインでのマーケティングを充実させ、リアルなイベントなどを実施することで、メルカリを愛してもらうためのマーケティングをメルカリは目指しています。

メルカリのマーケティングから学ぶべきものは、オンラインだけのマーケティングだけではなく、オフラインでのマーケティングもうまく利用し、クロスメディアという考えの元、マーケティングを拡大させています。
特に、PRイベントなど、ユーザーと触れ合う機会を作ることで、愛されるブランドにしていくことが出来るでしょう。

素早さが重要

また、メルカリのマーケティングから学ぶべきことは、これまでご紹介してきた4つのマーケティングは、縦割り組織ではなく同じ人が兼務するなど、横断的な人材配置をしております。
そのため、少人数でもコミュニケーションが取りやすく、判断も素早く行うことが出来るため、少人数横断型で戦略立案から実行までを一貫して実施できるようになっています。
マーケティングは机上の空論になりがちですが、このようにスピーディに意思決定することで、マーケティングを成功させることが出来るのでしょう。

メルカリが目指すマーケティング

メルカリが目指すマーケティングは、「愛されるブランド」を作っていくことです。
売上や利益だけを求めるのではなく、ユーザーにとっての使いやすさや身近さに注力し、ユーザーに愛されるブランドとなるためにオンラインだけではなく、オフラインのマーケティングも行っています。
メルカリのマーケティングは、次世代型のマーケターという立ち位置を目指しており、少数精鋭でプロフェッショナルな人員で、メルカリを広めていると考えられるでしょう。

メルカリが大事にしているモノ


次に、メルカリが大事にしているものについて見ていきましょう。

Go Bold

メルカリが大事にしている考え方には、3つの考え方があり、その一つが「Go Bold」です。
Go Boldとは、大胆にやろう!という意味を持っており、既成概念を壊して大胆にチャレンジしていこうという考え方を持っています。
メルカリは、失敗することよりも挑戦しないことの方がわるいと思っており、挑戦し続けてきたことが、今のメルカリを生んだと考えられるでしょう。

All for One

All for Oneという考えも、メルカリの考え方の一つです。
一人はみんなのために、みんなは一人のためにという言葉がありますが、そのみんなは一人のためにという考えこそがAll for Oneです。
また、考え方によっては、一つの目的のためにという考え方があり、メルカリは一つの目的のためにみんなが一致団結して取り組んでいこうという考えを取り入れていると考えられます。
全ては成功のためにという考え方でしょう。

Be Professional

そして、3つ目はプロフェッショナルであれという考え方です。
マーケティングの分野においても言えることですが、メルカリでは特にエンジニアのメンバーがこの部分にこだわっているようでプロフェッショナルであるということは、判断をするということです。
一人一人がオーナーシップを持つことで、決断力を持つということが、このプロフェッショナルであれという考え方の基本となっています。

マーケティングチームでは「Go Bold」が一番

これまでご紹介した3つの考え方の中で、マーケティングチームでは、Go Boldという考え方に一番力を入れているようです。
チャレンジすることはマーケティングの分野においても必要となっており、これまで行ったことが無いマーケティングも率先して積極的に取り入れていくことで、メルカリのファンを増やしていくということに繋がっていくでしょう。

メルカリのマーケティングで求められているミッション

次に、メルカリのマーケターたちは、どのようなミッションを抱えているのでしょうか、ミッションについても見ていきましょう。
マーケターへのミッションは以下の通りとなっています。

・GMV (Gross Marchanise Value /流通取引金額) が伸び続ける仕組みを作ること
・中長期的にブランドを築いていくこと

大きく分けてこの2つが、メルカリのマーケターたちに課せられたミッションとなっており、それぞれがこの目標を達成するべく活動をしています。

GMVが伸び続ける仕組みを作ることとは?

GMVが伸び続けていくためには、常に成長していかなければなりません。
そのため、メルカリのマーケターたちは、少数精鋭でそれぞれのマーケティング部門において横断的に兼務してマーケティングを行っております。
そのため、縦割りではなくコミュニケーションや情報共有しやすい環境となっており、それぞれ4つのマーケティングにおいて、スピーディに実施することが出来るようになっています。
このような体制もマーケティングを成功させていくためには必要となっており、メルカリは、この体制作りもしっかりと成功していると言えるでしょう。

中長期的にブランドを築いていくこととは?

メルカリのマーケティングでは、中長期的にブランドを築いていくというミッションが与えられています。
中長期的にブランドを築いていくためには、目先の売上や利益だけではなく、ブランド力を高めていくことが求められます。
そして、そのブランド力を高めるということにおいては、ブランドを企業がしっかりとイメージでき、戦略的にマーケティングをしていくことが必要ですが、メルカリはブランドを築き上げていくための術を知っており、既にメルカリというブランドを日本中に広めています。
オンライン上のマーケティングだけではなく、オフライン・マーケティングを行うことで、愛されるブランド作りが出来ていると考えられるでしょう。

メルカリのサービスから見える最近のユーザーのニーズ


メルカリが流行していることから、消費者行動について、どのような学びを得たら良いのでしょうか。
メルカリの特徴から、今の時代に求められているものを見ていきましょう。

素早さ

メルカリのサービスの特性の一つに「素早さ」があります。
素早く商品を購入することが出来たり、素早く商品を出品できたりすることが出来ることによって、「いますぐ」というニーズに応えていると言えるでしょう。

手軽さ

メルカリは、素早さだけではなく、手軽さも持ち合わせています。
商品とスマホさえあればすぐにでも商品登録してものの数分で出品することが出来ます。
これまで、商品を販売しようと思ったら、自社のサイトを構築するか、ネットショッピングサイトに登録して会員情報を入れて、プロフィールを入れて、サイトをデザインしてと様々な手続きがありましたが、メルカリの登録は簡単に終わります。

新品ではなく中古

新品ではなく中古でも販売できることと、家にあるものはほとんど何でも販売できるため、手軽で素早く、どんな商品でも販売できることは、今のニーズに合っていると言えるでしょう。

Forever21の日本撤退から見えるもの

ここ最近、ファッションブランドのForever21が日本から撤退することになりました。
この事実を受けて、どのような考えを持たなければならないか見ておきましょう。

若者狙いではだめ?

Forever21は、若者向けのブランドとして日本に大きな影響を与えました。
しかし、若者が日本から少なくなり、次第に店舗を縮小していき、撤退になったと言われており、同じファッションブランドのUNIQLOは若い世代だけではなく幅広い層を狙っていることと対照的に、撤退になったと考えられるでしょう。

新品を求めていないユーザー

新しい商品の購入や所有というモノに対して依存していない消費者が増えているため、欲しいものがあったら安く購入する、いらなくなったらすぐにシェア(販売)するという流れが、今の消費者行動の代表的な例と言えるのではないでしょうか。

まとめ

ここまで、メルカリのマーケティングから見る現代の消費者行動や次世代マーケティングについてご紹介してきました。
メルカリが流行している理由は様々な理由が考えられますが、素早さや手軽さという点が大きいのではないでしょうか。
メルカリのサービスを見ていくと、現代の消費者に求められているサービスや機能にはどのようなものがあるのかが見えてきそうです。
マーケティングを行っているマーケターの方々は、古くからあるマーケティングの本などで勉強している方も少なくないと思いますが、企業やサービスに焦点を当てることで、現代において成功しているマーケティングとは何かを理解していくきっかけになることでしょう。