ゼロクリックサーチは脅威?WEB担当者として対応できることは?

ゼロクリックサーチとは?対策は?


生物が生存していくためには、その時代の環境に合わせて変化を遂げていくことが必要だと言われており、変化できなかった生物たちが絶滅という悲しい結果を生んだとも言われています。
人間もまた、世の中の時代に合わせて日々変化を遂げており、それは見た目だけのことではなく、行動や考え方が変化しているということに繋がっています。
一昔前の時代では、槍や鉄砲をもって戦をして、それぞれの領地を奪い合っていましたが、その戦も海外との戦争に変わり、戦争には多くの兵器が使われてきました。
デジタルが進化したもの、この戦争の兵器によるものという見方がありますが、このようなデジタルの進化により、急激に消費者を取り巻く人々の環境も変わってきました。
その変化に合わせていかなければならないのは、消費者だけではなく、企業側もまた、消費者の行動や環境に合わせて変化をしていかなければならず、デジタル時代には特に日進月歩で変化する時代に合わせていかなければならないでしょう。
今回は、そんな時代の変化の中でも最近デジタルマーケティングの中で注目されつつある「ゼロクリックサーチ」問題について触れていきたいと思います。
マーケターなら対策を考えなければならないこの問題を、まずは理解し企業のマーケターとしてどのように対処していけばよいか、参考にして頂ければと思います。

ゼロクリックサーチって何?


そもそも、ゼロクリックサーチというのはどのようなものなのでしょうか?
ゼロクリック詐欺という言葉がありますが、そのゼロクリックとは異なり、ゼロクリックサーチというのは、ユーザーが検索エンジンを利用したにもかかわらず「クリックせずに離脱する」という現象をいいます。
2019年6月直近のクリックストリームデータでは、アメリカを対象としたゼロクリックサーチが50%を超えたというデータも発表されており、この問題は無視できない問題となりつつあります。
なぜ、このゼロクリックサーチが増えてきたのかは、この後の背景で触れていきますが、このようなゼロクリックサーチが多くなっていくと、企業のマーケターたちはターゲットとするユーザーがそもそもサイトすら見てくれない状況となるため、サイト内の情報を改善したとしても、コンバージョンに繋がらないという結果に繋がってしまうため、とてもマーケティングにおいて厳しい状況となってしまうでしょう。
特に、昨今ではデジタルマーケティングが主流となっている企業が多く、ここからのコンバージョンや売り上げ獲得が見込めない場合には、事業継続に大きな支障が出てしまう企業も多いことでしょう。
まずは、このゼロクリックサーチの問題を解決していくためにも、なぜこのゼロクリックサーチが生まれたのか、背景から見ていきましょう。

ゼロクリックサーチの背景

ゼロクリックサーチはなぜユーザーの行動として広がってきているのでしょうか。
ここには、現代の時代における消費者たちを取り巻く環境に問題があるという点と、Googleというインターネット市場では絶大な力を持つ企業の考え方にも影響があるようです。

すぐに回答が欲しいユーザーたち

まずは、ユーザーたちを取り巻く環境から見ていきましょう。
現代においては、インターネットが普及し、デバイスが進化し、いつでもどこでもサービスを受けられるユビキタス社会が近いと言われています。
また、どのような商品やサービスも「購入」から「サブスクリプション」と呼ばれる「必要な時に必要なだけ」というサービスが増えてきており、一昔前までの「購入したい」という欲や「所有したい」という欲が薄まってきていると言われています。
このような環境においては、これまでの人々の消費者行動も変化してきており、世の中に求められるものは「今すぐに」「いつでも」「どこでも」が当たり前となっています。
そのため、消費者たちはすぐに回答が手に入らないものや、回答が無いものに対しては積極的な行動を起こさなくなってきており、その代表格ともいえるのが、大学生の「答えが無ければ動かない」という問題にもつながっているでしょう。

Googleの機能向上

また、ゼロクリックサーチが広まっている背景の一つに、環境だけではなく、Googleの機能向上も挙げられます。
Googleの機能向上というのは、Googleはユーザーのことだけを考えてサービスを考えたり、機能を追加したりしているため、ユーザーがどのような考えで、何を望んでいるかを突き詰めていったときに、「いかに面倒なことを減らすか」を突き詰めていることにもなります。
そのため、これまでは「多くのページから情報をとってもらう」という考え方で沢山の情報があったほうが良いとされていたホームページも、今では商品一つ一つのページが必要となるような、「一つの商品だけを紹介するページ」が一般的になっているように、ユーザーに届ける情報には、余計なものは必要なく、シンプルに、簡単に情報を届けることが求められています。
そのため、Googleは、検索結果の中にサイトの情報だけではなく、サイトの中身の情報も検索結果の一覧に表示するようになり、ユーザーはクリックしなくてもその情報を手に入れることができ、クリックするという行動を一つ減らすことが出来るようになっています。
実際に、「1フィート 何センチ」で検索してみると、30.48センチメートルという回答が検索結果の中に表示され、ユーザーはその中のどれかのサイトをクリックしなくても情報を手に入れることが出来たため、サイト閲覧をすることがなくなっています。

ゼロクリックサーチを助長?Googleのユーザー向けサービス

このようなGoogleが始めた検索結果上の情報提供のサービスにはどのようなものがあるか、ここから見ていきましょう。

リッチスニペット

Googleが提供しているサービスの一つに、リッチスニペットというモノがあります。
リッチスニペットというのは、その名の通りスニペットの向上版ですが、スニペットというのは、Googleで検索したときに表示されるサイトのタイトル、サイトの概要、URLなどのことを言い、その中にユーザーのレビューなどが表示されるものをリッチスニペットと呼んでいます。
リッチスニペットが生まれたことで、ユーザーは検索した際に検索結果のなかでサイトが提示しているリッチスニペットを見て判断できるようになり、そのまま信頼性の高いサイトに訪れることもありますが、そこで情報を収集してクリックせずに離脱してしまうこともあるでしょう。

ナレッジグラフ

ナレッジグラフというのは、Googleが始めたサービスで、検索したときに関連する情報を検索エンジンの右側に表示させるというもので、ユーザーからしてみると、検索した情報の中で多くの関連する情報が右側に出てくるので、検索結果のサイトを見ずとも情報収集できるようになり、検索結果のページだけを見て満足してしまうことがあるでしょう。
例えば、ジャッキー・チェンなどのキーワードで検索した際に、ジャッキー・チェンに関する情報が沢山右側に出てきて、出演している映画などの情報も出てきます。
それらをまとめていたサイトとしては、そのようなサイトに訪れなくてもGoogleが回答してしまうため、自社サイトに訪れずにアフィリエイトなどをしている場合には、広告収入などが得られないということが起こっている状況となっています。

強調スニペット

強調スニペットは、先述した1フィートは何センチ?の回答のように、検索エンジン上で回答が表示されるものです。
この強調スニペットになったことで、サイトの価値が上がり、逆にユーザーからクリックしてもらえる可能性も高くなりますが、そこで情報を得るだけのユーザーは離脱してしまうことでしょう。

ゼロクリックサーチは脅威か?


ここまで、ゼロクリックサーチについて、サイト制作者側やマーケター側の視点から見て驚異の様なことをご紹介してきましたが、実際に、ゼロクリックサーチは脅威なのでしょうか?

ゼロクリックサーチで懸念されること

ゼロクリックサーチで懸念されることはどのようなことでしょうか。
これまでもご紹介してきましたが、クリックされないことによってコンバージョンに繋がらないだけではなく、認知されることも商品を紹介する機会も失われてしまうこともあるでしょう。
懸念されることとしては、ユーザーに自社サービスを認知してもらう機会を失うことと言えるのではないでしょうか。

ゼロクリックサーチで間違いなく変わるもの

ゼロクリックサーチで間違いなく変わるものは、アクセス数です。
ユーザーからのアクセスが減るということは多くなるでしょう。
しかし、それはサイトの内容やキーワード、情報の種類によっても異なるため、一概には言えませんが、例えば先ほどの「1フィートは何センチ」という検索キーワードに関しては、サイトを訪れる人は減るでしょう。

ゼロクリックサーチはコンバージョンも減らすのか?

では、アクセス数が減ったり、企業にとって認知をしてもらう機会が減ったりすることは結果的にコンバージョンにも影響があるのでしょうか。

コンバージョン率とコンバージョン数

まずは、コンバージョンの話をする前に、コンバージョン数と、コンバージョン率について簡単におさらいしておくと、コンバージョン数は問い合わせの件数や資料請求などの件数など、売上に直結する顧客の数ですが、コンバージョン率は、全体のユーザー数からコンバージョンに至ったユーザーの数として計算されるため、率が多いからと言ってコンバージョン数が高いとは限りませんし、コンバージョン数が多いからと言ってコンバージョン率が高いということでもありません。
例えば、10,000人のユーザーが訪れるサイトのコンバージョン数が300だとすると、コンバージョン率は3%ですが、1,000人のユーザーが訪れるサイトのコンバージョン数は300の場合、コンバージョン率は30%と高くなります。
そのため、コンバージョン数だけではコンバージョンは判断できないことと、率だけでも判断できないということが一般的です。

意識の高いユーザーが集まる可能性

コンバージョン率だけで見ると、ゼロクリックサーチ問題で企業のサイトはコンバージョン率が高くなる可能性があるという見方があります。
これは、これまでサイトに訪れていたユーザーの中には、情報だけを得たいと思って訪れているユーザーもいるため、質の高いユーザーが集まるという見方です。
この場合、先述した「コンバージョン率が高い」というサイトになるため、結果的にはコンバージョン数はそこまで変わらないと言う見方が出来ます。
しかし、これはあくまでも一つの例に過ぎないため、サイトによっては、コンバージョンに繋がっていたユーザーを逃してしまうということもあるでしょう。

ゼロクリックサーチでマーケターが行うべき対策は?


ゼロクリックサーチ問題で、マーケターはどのような対策をするべきでしょうか。
対策をせずにそのままでいると、サイトによっては間違いなくアクセス数が減り、ユーザーに向けて情報発信する機会を失ってしまう可能性があるため、出来るだけの対策をしておくべきでしょう。

リッチスニペットの利用

ユーザーに向けての対策の一つに、リッチスニペットの利用が挙げられます。
リッチスニペットについては先述しましたが、サイト内の情報を検索エンジンの結果として、スニペットに表示させるというモノで、これはサイト制作者側でもコントロールできるものです。
サイトに掲載している情報を構造化し、しっかりとGoogleに認知してもらうことによって、リッチスニペットとしてGoogleの検索結果に表示してもらうことが出来ます。
このような対応をすることも、Googleからの評価を得られ、ユーザーからも評価を得られるため、結果的にクリックするユーザーが減ったとしても、サイトの質は上がると言えるでしょう。
あくまでも制作者側や企業側の目線ではなく、ユーザーに有益な情報を与えているかが、Googleが求める良質なサイトとなっています。

画像検索への対応

次に、対策の一つとして画像検索への対応が挙げられます。
画像検索は現代においてキーワードのテキスト検索と同じように扱われており、ユーザーは画像の検索をすることで楽しんでいるだけではなく、いまでは画像から情報が入っていそうなサイトを探すという行動が多くなっています。
このような画像検索に対応している企業は、画像検索からサイトにユーザーを引き込むことが出来るようになっており、画像一つ一つにalt属性タグをしっかりつけて対策を行っています。
これも制作者側でコントロールできるため、やらない手はないでしょう。

タイトルに注力する

ゼロクリック対策の一つに、タイトルに注力するということが挙げられます。
タイトルをよりわかりやすく、クリックしやすくすることで、ゼロクリックサーチの対策になるでしょう。
ゼロクリックサーチをするユーザーは、クリックしたくないと思っているのではなく、クリックする価値がないと思って情報を得ただけで離脱してしまいます。
興味のある内容であれば、ユーザーはクリックすることを惜しまないため、タイトルに力を入れて興味を沸かせることも重要なポイントです。

ゼロクリックサーチは広告にも影響する?

最後に、ゼロクリックサーチは、インターネット広告にも影響を与えてしまうのか、見ていきましょう。

インプレッションするがクリックされない

ゼロクリックサーチが増えてきた中で、Google広告などのインターネット広告にも影響が出ていると言われています。
検索エンジン上で広告として表示されているサイトも、オーガニック検索で表示されているサイトと同じような立ち位置にいるため、Googleが提供している強調スニペットなどの影響は受けているでしょう。
そのため、インプレッションは多くてもクリック率が低下しているというサイトオーナーも頭を抱えているのではないでしょうか。
この場合も、いかにタイトルに興味を示してくれるか、タイトルに注力することが必要とされているようです。

クリックしてくれるユーザーは?

一方、クリックしてくれるユーザーはどのような心境なのでしょうか。
それは、Googleが提供している回答に対して満足いっておらず、もう少し深堀した情報や、例えば、その場で購入したいと思っているユーザーなどではないでしょうか。
そのようなユーザーはコンバージョンに繋がりやすく、質の高いユーザーと言えるでしょう。

まとめ

ここまで、最近問題視されているゼロクリックサーチについてご紹介してきました。
ゼロクリックサーチはユーザーのことを考えた結果、生まれた現象と言えるため、Googleはこれからもユーザーのことを考えてサービスを提供していく以上、避けては通れない問題となるでしょう。
便利になることは悪いことではないため、我々マーケターも、Googleの創造を超えるようなユーザーにとって価値のある情報提供の仕方を考えていくことも必要とされているのではないでしょうか。