BtoBにおけるナーチャリングの重要性とポイントについて

BtoBでも通用する?顧客を育てるナーチャリングの活用法


BtoBのビジネスにおいて、デジタルマーケティングによるリード顧客の獲得はマーケティング活動の中でも重要なポジションにいると言えるでしょう。
今では顧客を開拓するよりも育成するという考えが強くなっており、BtoBにおいてもそれは同じです。
今回は、BtoBにおけるナーチャリングの重要性についてご紹介していきます。

ナーチャリングとは?


まずはナーチャリング(Nurturing)とは何かについてご紹介しましょう。近年マーケティング畑の人なら必ず出会う言葉なのですが、「教育」とか「育成」という意味を持つ英語で、「リードナーチャリング」とも呼ばれます。
この手法は外国から2015年頃に入ってきたもので、従来から国内でマーケティングの手法として普通に行われていた「新規顧客開拓」や「見込み客獲得」の方法とは全く違うものなので、衝撃を受けた方もいるのではないでしょうか?
顧客に商品を買ってもらうための戦術の前の戦略プロセスで、マーケティング的にはいろいろな段階がありますが、見込み客を「顧客にする」プロセスを指します。
もっとざっくりというとナーチャリングは「顧客を集める」と「顧客に売る」の間にあるもので、Web広告やメルマガ、セミナーなどを活用して情報を提供し、顧客の興味や関心を引いて成約につなげる方法で、まさに現代のマーケティング方法だと言えます。

顧客は発掘するよりも育てる時代

現代は、顧客を発掘するよりも「育てる時代」だといいます。いったいそれはどういうことなのでしょうか?

顧客を発掘するよりも育てるのはなぜ?

現在のマーケティングでは顧客はわざわざ最初から新しい顧客を発掘するよりも、見込み客やフォローなどをやめてしまった休眠客の興味を再び惹かせ、情報を与え続けて育て、最後には購入につなげる作戦の「顧客を育てる時代」だと言えます。
実はこの方法のほうが最初から顧客を発掘するよりもコストが安くすみ、一度は自社の商品に関心を寄せてくれた顧客なので、なにもわからない新規客よりも購入する可能性も高くなります。

育てるメリットは?

現在のマーケティングでは顧客の興味や行動が可視化できます。具体的にいうと、それなりのツールは必要となりますが、顧客がいつウェブサイトを見に来たかとか、どのページを見たなどということが把握できます。

・クロージングを高めることが出来る
ウェブサイトの裏側、すなわちアクセスやコンバージョンなどを計測するツールでは、見込み客は、自社のいろいろなページを回遊して滞在時間がどのくらいか、どのくらいの確率で商品を買いそうだとか、もう一息で購入に繋がりそう(クロージング)だなどという情報を手に入れることができます。
そこで適切な情報を送り続けると、顧客は納得して商品を購入してくれるのです。これなら従来のようにしつこい営業から説得されて根負けして買ってしまうなどという場面もありません。

・質の良い受注が出来る
ウェブマーケティングをうまく利用すると、顧客が納得して、自分の好きなタイミングで購入するので、顧客も営業も気まずい思いをしなくてすみます。
要は顧客が必要としている情報を適切で絶妙なタイミングで送り続けることで顧客を納得させることができるのです。それが顧客を「育てる」という意味になります。

BtoCではナーチャリングが重要視されている

BtoC、すなわち一般消費者が対象のマーケティングではここ数年、ナーチャリングがとても重要視されています。そのわけは第一にテクノロジーの進歩によって、Eコマースを通じて購入する顧客が増えたということです。
部屋に居ながらにして情報を得て、自分で商品を選んでバスケットに入れて購入するというスタイルが一般的になってきた今、マーケティングもそれに合わせて買えなければなりません。
従来の営業スタイルでは、誰も買ってくれなくなったと言ってもいいでしょう。
また、簡単にWeb上で情報を得られるようになった今、今日は見るだけなどすぐには購入せずに他のサイトと比較検討するケースも非常に多く見受けられます。
非常に顧客獲得の競争が激化した今、新規の客を開拓して獲得するよりはマーケティングを簡略化して、従来からWebに来てくれているような「見込み客」をナーチャリングして獲得するほうが、はるかに効率がいいということになります。

BtoBでもナーチャリングが必要なワケ


会社対会社のビジネスであるBtoB。BtoCに加えてBtoBでもナーチャリングが必要だと言われます。その理由は一体何でしょうか?

BtoBは高額取引が多いため、失敗が許されない

BtoBは会社相手の取引。よって機器や材料など単価が高い商品が多いです。そのため、失敗が許されません。
従来のように新規開拓から顧客を発掘していては、営業のリソースも足りませんし、そもそも現代のマーケティングのやり方では時代に合わなくなっているのです。
それに会社相手とは言え、インターネットの発達によって、購入スタイルも変わってきているのです。もはや売り込みで売れる時代ではなく、情報を顧客に時間をかけて提供し、納得させてから購入してもらう時代になっています。

BtoBは商談に時間が掛かる

そもそもBtoBは商談に時間がかかります。なぜなら高額な商品ゆえ、決定するまでにはいろいろなプロセスを踏まなくてはならないからです。
従来ならば、営業が出向いていって、担当者に商品の説明をし、説得して買ってもらうというスタイルが多かったのですが、いまは、自社商品はWebサイトが説明してくれます。さらにオンラインセミナーや体験動画などもあり、その商品の購入前にバーチャルで体験することすらできることもあります
こうした体験を経て、BtoBの場合もBtoCと同様に、いろいろな情報を得て納得した顧客が商品を購入するのです。ただし、この場合、購入までにとても時間がかかる場合もありますが、自社製品を信じて、簡単にあきらめないことも重要です。

ナーチャリングが重要視されている背景

ナーチャリングは従来の営業スタイルに比べて、近年とても重要視されています。その背景にはどんなものがあるのでしょうか?

モノやサービスが溢れている

現在はとてもモノやサービスが溢れている時代です。家にいながらにして、インターネットで商品を比較検討できるのですから、顧客にとっては簡単にいい商品を選べる時代となりました。
しかしマーケティング側としてはより競争が激しくなりました。しかも、競争の相手は国内にとどまらず、海外の製品も競争相手となりました。
モノやサービスが溢れていて、簡単に比較検討できる時代だからこそ、自社サイトのコンテンツを充実させ、顧客を納得させるような商品紹介をしなくてはならない時代になったと言えるでしょう。

情報収集がしやすい時代

現代はインターネットを誰もが使う時代となり、すでにインターネットでものを買うのが珍しい時代ではなくなりました。何か商品が欲しくなった時、まずパソコンやスマホで検索すると、ものすごい数の結果が表示されます。キーワードの検索性能も上がり、より顧客が欲しいものが簡単に探せるようになったのです。
検索のみならず、検索したものから比較検討も簡単にできる時代だからこそ、自社製品の特徴やメリットなどをまとめた、顧客を納得させる簡潔な資料が必要になったと言えます。

中長期的な計画が必要となっている

インターネットで商品の比較検討が簡単にでき、いながらにして商品選びも簡単にできる時代になりました。
顧客は商品をネット上で比較検討しますが、すぐに買わない人が90%以上と言われています。顧客のうち多くは、その商品の詳細をいったん「お気に入り」に入れておき、他にもっといい商品がないか検索をはじめます。その商品情報はクッキーに残っていますので、購入する日までずっと消えることがありません。
そのため、比較検討する時期が長く、なかなか決定しないケースも多くあります。ですから売る側のマーケティング戦略も短期的ではなく、中長期的に考える必要があります。

生産性の向上が重要視されている

かつては営業が購入を検討している顧客のところへ出向いて、押しの一手でクロージングをし、購入を決めたケースも多く見られましたが、現在では決定権は完全に顧客にあります。
顧客はその製品のホームページを見て詳細を調べ、じっくり競合他社でもいい製品がないかを調べてから購入を決定します。

最初に顧客の心を動かすようなコンテンツを作っておけば、顧客が見に来てくれるわけですから、営業の手を煩わせることもありません。顧客に張り付かなくて良くなった時間をSEO対策やSNS戦略など、もっと他の時間にまわしてマーケティング戦略の生産性を上げなくてはならない時代になりました。

BtoBにおけるナーチャリングを行うポイント

BtoBはBtoCと違い、顧客は会社なのですから単価が高いので購買側も慎重です。BtoBでのナーチャリングのポイントはどのようなところにあるのでしょうか?

定期的な接触を行うことが重要

BtoBでの見込み客が展示会やセミナー、商談に来てくれたからと言ってお礼メールを出してからそのままにしてはいけません。
見込みがあるということは、自社の製品に興味を持ってくれているのですから、これから先、競合他社と比較されることはあっても自社の製品を購入してくれる可能性は十分にあります。
可能性が十分に高まったところでマーケティングから営業に引き渡すことができればしめたものです。
それまでには、ひょっとしたら数ヶ月、あるいは1年以上かかるかも知れませんが、BtoBのマーケティングは長期化しているのが普通ですので焦らずにコンタクトを続けましょう。
様子伺いや世間話などからはじまって、その後自社の製品をどう思っているか定期的な接触をとるようにしましょう。

定期的な接触はSNSやメールマーケティングで

では、顧客との定期的な接触はどのような方法を取ればいいのでしょうか?いまや一対一のメールはたくさんのメールに埋もれてしまう可能性があるため、避けたほうがいいでしょう。
それにメール内に顧客の心を動かすような内容がかかれていなければ成果は上がりません。ただ、「この情報を見てください」とリンクのURLが貼り付けてあるだけでは顧客はクリックしてくれないのです。
もちろん、一対一のメールが功を奏することもありますが、概して現代はSNSやダイレクトメールの時代です。
見込み客は自社をフォローしてくれているわけですから、自社HPの魅力的な製品画像や製品スペックなどをビジュアルで見せたほうが効果は大きいと言えるでしょう。

情報を与え続けることでブランド力をアップ

いまやWeb上でパンフレットやカタログ、動画やオンラインセミナーなど、なんでも完結してしまう時代です。
わざわざ重いパンフレットを持って顧客の会社を回る時代は終わりをつげようとしています。
自社製品に興味があって、購入を検討している見込み客は、いつも自社のHPを見てくれています。そこに魅力的なコンテンツを入れ代わり立ち代わり用意して顧客の興味を途切れさせないようにするのも重要なポイントと言えるでしょう。
顧客は当然、もっといい製品がないかと競合他社のウェブサイトも見ているのは当然ですが、他社にはない特徴などの決定打があればきっと自社に戻ってきて購入してくれます。

BtoBで活用すべきナーチャリングの手法


それではBtoBで活用するべきナーチャリングの手法にはどんなものがあるのでしょうか?

ホワイトペーパーのダウンロード

商品の詳細を提供するホワイトペーパー。本当に見込みのある顧客はこのホワイトペーパーを手に入れたがっています。興味があるからこそ、詳細を知りたがっているのです。
このホワイトペーパーをダウンロードして顧客に提供すれば、それは顧客の有効な検討材料となります。そして購入意欲をも換気するツールだと言えます。

勉強会・研修会の実施

勉強会や研修会の実施もナーチャリングの強力なツールです。そもそもその商品に興味がなければ、顧客は勉強会、研修会には来ません。わざわざ足を運ぶことこそその商品の購買意思があるということです。
もっとも現在では、オンラインセミナーや資料のダウンロードもできますので、そちらのほうも履歴が残るため、マーケティング側としては有力なツールとなります。

メールマーケティング

メールは現在のマーケティングには必要不可欠なツールです。以前はDMなどでしたが、コストが掛かる上、興味がないとすぐに捨てられてしまう可能性もあります。現在は通常のメールのほか、LINE@やTwitterやインスタグラムなどのダイレクトメールなどもあり、顧客にメールを送る手段が格段に広がったと言えます。

魅力的なコンテンツを充実させる

いまや顧客は自社のホームページを見て製品のスペックなどを確認するわけですから、HPコンテンツの充実度は必須です。
また、ただだらだらとスペックを載せておくよりは、他社との違いを明確に記し、いい意味で顧客を「はっとさせる」ような、魅力的な表現も重要です。
ビジュアルも大事なので画像や動画などにも時間をかけて納得行くものにしたほうがいいでしょう。

営業との連携も忘れずに

マーケティングは一人で動いているのではなく、やはり最終的にクロージングを担当する営業チームとの連携も需要になります。
特に顧客が製品のどのあたりに興味を持っているかのカスタマー・ジャーニー、施策実施などはあらかじめ最初に営業と話し合っておく必要があるでしょう。
また、そのほうが営業側もどの程度顧客との商談が進んでいるかを把握しやすくなります。

スコアリングも大切

スコアリングとは、顧客の製品に対する興味はいまどのくらいかを「数値化」したものです。これは長い文章で書くよりも、パッと見てわかるようにしておいたほうがその後の施策がやりやすくなるため、効率的になると言えます。

まとめ

ここではBtoBにおけるナーチャリングの重要性についてご説明しました。
新規の顧客ではなく、既存の見込み客を「教育」して顧客にするナーチャリングは、2015年ころから日本に入ってきたマーケティングです。
見込み客のナーチャリングを行うことで、マーケティングの費用やリソースが大幅に削減できる上、休眠状態、または一度は離れてしまった顧客でも、一度は興味があって自社のホームページに来てくれたわけですから潜在的な製品に対する興味はあります。
そのため、まったくの新規客を教育して顧客にするよりもはるかに効率がいいのです。
いまや顧客の会社にカタログをもって訪問し、説明をして購買につなげるというプロセスはかなり顧客の購買意欲が高まってきた時の営業の役割と言えるかも知れません。
マーケティング担当としては顧客の興味を引くような魅力的なWebコンテンツやセミナー、製品を使用しているところがわかるような動画、また使い方がわかり顧客の疑問もクリアになるようなオンラインセミナーなどのコンテンツを充実させ、競合他社とは違う自社製品の魅力を引き出すことに努めましょう。
また、それらの記録、例えばカスタマーレジャーニー(サイト内の回遊記録)や営業との連携、顧客の興味度の数値化も重要です。