ポイント、スタンプ、クーポン…認知度UPに役立つデジタルインセンティブとは
商品やサービスの販売促進に欠かせなくなったプロモーション活動は、日々顧客の心理や行動を考え、戦略を練っていく必要があり、商品やサービスの認知度を上げていくために、試行錯誤をしているという方も少なくないでしょう。
そんな販売促進の戦略の一環として、商品やサービスに付加価値を提供する顧客インセンティブという考え方があり、例えばクーポンやくじ引きの特典、ポイントカードで還元といったものが挙げられます。インターネットの発達により、インターネット上で顧客インセンティブを行えるという点もあります。
その、顧客インセンティブをデジタル化させたデジタルインセンティブの概要やメリット、今後の展望についてご紹介します。
デジタルインセンティブとは?
集客・販促を目的としたキャンペーンの戦略の一つで、商品やサービスを購入・利用した顧客に特典や景品などをおまけで配布することを顧客インセンティブと言いますが、デジタルインセンティブは商品やサービスの販売促の際に、主にインターネット上で展開される無料の特典やサービスなどの付加価値をユーザーに与えることを指します主なサービスとしては特典として利用できるデジタルコードからコンテンツやポイントなどに引き換えられます。インターネットの発達とともに、顧客インセンティブはデジタルへ引き継がれ、さまざまなサービスでデジタルインセンティブとして今も使われるようになっています。例えば、着メロやスマートフォンやパソコンの壁紙、ギフト券、PontaポイントやWAONポイントなどが挙げられます。このデジタルインセンティブを利用することで、商品やサービスに対する認知度の上昇などの効果が期待されます。
デジタルインセンティブが注目されている背景
ユーザーにとってお得感を生み出させて消費行動に繋げてもらえるデジタルインセンティブはなぜ注目されているのでしょうか。そこにはインターネットとともにSNSといったソーシャルメディアが社会に普及されたことが大きな理由になっています。それでは細かくご紹介していきます。
スタンプやクーポンなどの「おまけ」にニーズが生まれた
インターネット上で利用できるデジタルインセンティブではおまけを配布するコンテンツが一般的でした。1990年代のインターネット黎明期にはスクリーンセーバー、壁紙などが特典として配布され、2000年代でホームページやブログなどが普及し始めると、ブログに使えるパーツや素材がデジタルインセンティブとして配布されるようになりました。ここ数年では、インターネットの高速化、SNSの普及により、デジタルインセンティブは多様化され、メッセージアプリ『LINE』では、メッセージで利用できるスタンプが配布され、スタンプのほかには、LINEポイントなどAmazonギフト券などに引き換えることができるポイントもデジタルインセンティブとして使われています。
デジタルコンテンツが主流になった
映画や音楽、ニュースなどを『コンテンツ』を呼びますが、簡単には情報の中身であると捉えて良いでしょう。そのコンテンツがデジタル化し、今では音楽をインターネットで気軽に配信ができたり、電子書籍としてスマートフォンやタブレットで小説や漫画を読んだりと、インターネット上でコンテンツをユーザーに届けられるようになりました。例えば、レンタルビデオ店に足を運ぶ方は、映画やドラマのデジタル配信を契約し、CDを買っていた方は、インターネットから音楽を購入し、スマートフォンなどで音楽を聴くようになりました。今後もますますデジタル化が進むことによって、デジタルコンテンツ市場も大きくなっていくでしょう。
このように、デジタルコンテンツが主流になってきた現在では、デジタルインセンティブをユーザーに配布しやすくなってきたことが考えられます。
デジタルインセンティブを利用するメリット・デメリット
販売促進のプロモーションに利用している企業や、利用したというユーザーも多いでしょう。それほど、デジタルインセンティブは何かしらの形でさまざまな企業や店舗などが行っています。
ユーザーにデジタルインセンティブを配布しやすくなった近年では、利用するユーザーにとってのメリットやデメリットは何があるのでしょうか? また導入する企業側のメリットも解説していきます。
デジタルインセンティブを利用するメリット
・企業側のメリット
デジタルインセンティブをユーザーに配布することによって企業側にもメリットが生じます。
1.顧客の情報を入手する
単なるキャンペーン中の値引きだけでは、顧客の情報を入手することは難しいですが、会員登録でクーポン配布を行うことで顧客の情報を得ることができます。これによってターゲットやユーザーのニーズなどがわかり、分析をしていくことによって、さらなるプロモーションの改善につなげていくことができます。
2.低コストで配布できる
クーポンなどの場合に限りますが、インターネットが普及する以前ではクーポンの印刷代、広告費、送料などさまざまな経費が必要でしたが、デジタル上ですべて行うことができるため、低コスト化することができます。
3.電子ギフトの連携
PontaポイントやTポイントなど、提携企業のデジタルインセンティブのポイント付与は、その提携企業が持つ店舗などでポイントを利用することができます。
4.社内の福利厚生で利用できる
モバイルクーポンやポイントは、少額から利用できるので企業の福利厚生として導入することも簡単でしょう。
金額の報酬アップが難しい場合でも、このようにクーポンやポイントによって社員を評価することも一つのアイディアです。
・ユーザー側のメリット
1.幅広い年代層が利用しやすい
インセンティブの種類によっては、幅広い年代の方が利用し、何かしらの景品や割引があると利用しやすく、値引きやAmazonギフト券やLINEポイントといったさまざまな種類からデジタルインセンティブは配布できる特徴があるため、利用しやすいという特徴があります。
2.お得な情報を入手できる
デジタルインセンティブの利用時には、メールで会員登録や、LINEからお友達登録などしている場合、何かしらのキャンペーン情報から割引や、特典に関する情報を入手することができます。
デジタルインセンティブを利用するデメリット
・企業側のデメリット
1.効果が薄い場合がある
デジタルインセンティブはほぼ何かしらの形で実施されている店舗や企業が大半ですが、むやみやたらに特典や景品、値引きなどを行ってしまうと、効果が正しくあらわれない場合があります。
値引きの場合では、値下げの幅が大きいと集客は増えますが、値下げの商品や値下げ期間のみ……つまり短期でしか集客は増えません。長期的に見ると、実は集客されていないというケースもあります。
2.ポイントサービスの導入は必須行為
デジタルインセンティブにポイントを導入は、小売業界や飲食業ではもう普及されきっており、ユーザーもポイントサービスがさまざまにありどのポイントがどれに使えるのか、すべて把握していることは難しいでしょう。
ですが、ポイントサービスを否定するわけではなく、使い道によってはユーザーが定着し、リピーターとなる可能性もあるので、ポイントサービスの活用事例を見出し、臨機応変にユーザーにインセンティブを提示できるように計画を練っていく必要があります。
3.種類によっては扱いが複雑に
主にギフト券タイプでは、配布しやすいという反面、やや扱いにくい特徴があります。
ギフト券をユーザーに配布する場合、そのギフト券を使えるサービスを利用するユーザーであることが前提あるため、特定のギフト券しか扱っていない場合、そのサービスを利用しているユーザーしか集客されないという可能性もあります。
・ユーザー側のデメリット
ユーザー側に特に大きなデメリットはありませんが、挙げるならばこのようなものがあります。
1.メールやメッセージが溜まる
ユーザーが複数の企業のデジタルインセンティブを利用のために、複数のサービスに申込をする場合、キャンペーンのお知らせや割引に関するメールやメッセージの通知が大量に届きます。メールサーバーやスマートフォンの容量を圧迫してしまう原因にもなるため、ご利用の際はお気を付けください。
2.期限付きのものがある
キャンペーンには期限があるものが多いので、値引きセールやキャンペーンには期限がありますが、そのほか特典で利用できるギフト券にも利用期限があるため、ギフト券の有効期限には気を付けましょう。およその期限は1年から3年ほどですが、それぞれ確認してみてください。
デジタルインセンティブの種類
1.特典
インターネット以前からある顧客インセンティブの代表例です。商品やサービスに特典をおまけでつけて販売する方法です。特典を付ける際には、限定特典などその場でしか手に入らないお得感を感じさせる工夫や、実用的のある特典をつけると効果的です。
デジタルインセンティブの特典で利用できるサービス比較をまとめてみましたのでご紹介します。
サービス | 用途 | コスト |
金券・商品券 | さまざまな店舗などで利用可能 | 配送コスト・作業コスト |
デジタルギフト券(Amazon、スターバックス等) | 提携サービスのみで利用 | 提携サービスのみで利用 メール等ならほぼ無し |
ポイント(LINEポイント、Pontaポイント等) | 提携サービスのみで利用 | 提携サービスのみで利用 メール等ならほぼ無し |
スマートフォンOS別デジタルギフト(Itsunesギフトカード等) | iOS、androidOSのいずれか | メール等ならほぼ無し |
品物(家電やお菓子、生活用品等) | 配送コスト・作業コスト |
サービス 用途 コスト
金券・商品券 さまざまな店舗などで利用可能 配送コスト・作業コスト
デジタルギフト券(Amazon、スターバックス等) 提携サービスのみで利用 メール等ならほぼ無し
ポイント(LINEポイント、Pontaポイント等) 提携サービスのみで利用 メール等ならほぼ無し
スマートフォンOS別デジタルギフト(Itsunesギフトカード等) iOS、androidOSのいずれか メール等ならほぼ無し
品物(家電やお菓子、生活用品等) 配送コスト・作業コスト
2.値引き
商品やサービスの価格、手数料や送料を値引きする方法です。ユーザーにとってもどんなインセンティブなのかが明確なため、効果がありますが、先ほどデジタルインセンティブのデメリットでご紹介した通り、計画的に値引きを行わなければ、長期的な集客が見込めないでしょう。
3.プレゼント
ユーザーが何も商品やサービスを購入していなくても、誕生日プレゼントなどユーザーに提供する方法もあり、定期的に何か配布するだけでも効果があらわれます。
4.ポイント
小売店や飲食業ではほぼ必須で導入されている方法で、何か購入する金額に応じてポイントをユーザーに与え、例えば「10ポイントで1円分利用できる」といったものです。優良顧客のリピーターを育むためにあるサービスなので、一律でポイント付与は避け、工夫することが必要でしょう。
デジタルインセンティブ始める方法
新しい商品やサービスや定番の商品やサービスのプロモーションを成功させるために、デジタルインセンティブの始め方をご紹介します。
事前に用意するものは?
WEB申込フォームとデジタルインセンティブに利用するものをあらかじめ用意しておきましょう。
また、新製品や新しいサービスで導入するのであれば、ホームページなども用意しておくと良いです。
始めるためのステップ
1.準備・告知
デジタルインセンティブの配布に必要なものを準備しましょう。予算や規模の確認を把握してから、告知をします。ギフト券や商品ならば配布する品物を用意しておき、告知に必要なキャンペーンはSNSやウェブページに掲載する場合、画像、文章などしっかりと用意しておきましょう。準備ができたら、キャンペーンを実施します。
2.キャンペーン実施
商品やサービスのキャンペーンの実施をしましょう。もし値引きなどがデジタルインセンティブの場合はこのキャンペーン中にデジタルインセンティブを行います。
このキャンペーンの申込には、事前に用意した申込フォームを利用してもらいましょう。
申込フォームのほか、TwitterやInstagramのダイレクトメッセージを利用する方法も考えられます。
3.デジタルインセンティブの配布
ユーザーにメールや郵送などを行い、デジタルインセンティブを配布します。
デジタルインセンティブでビジネスはどう変わる?
デジタルインセンティブは、ユーザー側としては気軽にコンビニや飲食店で利用でき、企業側としては低コストで実施できるという両者にメリットがあります。
また、インターネットはもちろん、SNSとの親和性が非常に高く、ユーザーがデジタルインセンティブを利用したとSNSに投稿することで話題にあがり、認知度が向上するなどプロモーションが一気に広がるという観点からは、大きな影響があります。
さらに、配布するデジタルインセンティブによってはお友達同士で送りあえるものもあります。ギフト券などであれば、お友達にデジタルギフトコードやURLなどを送ることで、プレゼントとしても使えます。企業が意図しないところで、認知度が上がりやすく、好感度が高まる施策であり、デジタル化が進む現代では非常にチャンスの多い戦略と言えるでしょう。
デジタルインセンティブを行っている企業の例
デジタルインセンティブはどのように導入され、効果を伸ばしているのでしょうか?
それぞれ別のジャンルからインセンティブの事例を見ていきましょう。
・株式会社スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイルカンパニー(PLAZA)
PLAZAでは2014年に「PLAZAでウォーリーを探せ!Twitterキャンペーン」を実施し、店舗内のウォーリーの足跡を見つけたらそこに立ち、ウォーリーや仲間たちを撮影し、ハッシュタグ「#ウォーリーinプラザ」をつけて投稿すると応募完了。抽選で50名に、ランチトートーバックをプレゼントするという企画です。
スタッフの方も赤と白のボーダーの衣装の方もあり、店舗全体が企画で盛り上がっていました。
・アサヒ飲料株式会社
2018年、アサヒ飲料は「おいしい水プラス『カルピス』の乳酸菌」のLINEポイントコードキャンペーンを実施し、「おいしい水プラス『カルピス』の乳酸菌」のペットボトルに、LINEポイント30ポイント分と引き換えできる、LINEポイントコードのQRコード付きシールを貼付。QRコードを読み込むと、その場でLINEポイントを手に入れられるという企画で、「買うとLINEポイントがついてくる」というわかりやすさ、「抽選型ではなく、必ずLINEポイントがもらえる」というお得さから、大きく売り上げを伸ばしました。
・株式会社ONE COMPATH(ワン・コンパス)
ワン・コンパスが提供するアプリ「aruku&(あるくと)」はウォーキングアプリで、スマートフォンをもって歩くだけで地域名産品などがもらえるアプリです。
そのaruku&(あるくと)がTポイントと連携し、ウォーキングの目標歩数を達成するとTポイントを貯めることができ、貯まったTポイントは提携先より利用できるというものです。健康志向の高まりの需要から、ウォーキングでTポイントがもらえるという通勤や通学にも利用でき、無料で手軽に始められることから話題になりました。
まとめ
デジタルインセンティブについて特徴やメリットやデメリット、始める方法やビジネスの活用事例などをご紹介しました。
インターネットからSNSの普及が、デジタルインセンティブが一般的になった背景があり、SNSから誰でも参加・申し込みをしてクーポンを取得できるなど、手軽さからさまざまな方が利用しています。
このデジタルインセンティブを上手に活用することで、企業側は顧客の幅を広げることや、リピーターを獲得するチャンスが増えていくことでしょう。デジタル化が加速していき、今後もオンライン上でさまざまな取引や交流が増えていくことで、デジタルインセンティブはますます施策として取り入れられるでしょう。

DIG運用チーム

最新記事 by DIG運用チーム (全て見る)
- SEO対策には欠かせない!アノテーションとは? - 10月 24, 2019
- まだ使っていないの?ディレクターなら使っておきたいAdobe Xd - 10月 23, 2019
- IT業界の人材不足はどう解決する?これからのエンジニアについて - 10月 22, 2019