一店舗からでも出来るオムニチャネルマーケティング

リアルとデジタルの強みを活かしたオムニチャネルマーケティング


カフェなどの飲食店を営む方や、ゴルフ用品などを販売するスポーツ用品の店舗を持つ方、古着屋などのアパレル用品を取り扱う方、パソコン教室などの教室を営む方など、世の中には数多くの「お店」が存在し、それらを経営する方々は同じく日本には多く存在します。
そのようなお店を経営する経営者の方々は、業種は違えど、店舗の売上を獲得するという意味でさほどやり方に大差はないのではないでしょうか。
一般的に、お店にお客さんを集めるために出来ることはある程度限られており、その限られた手法の中でデザインやタイミング、商品の見せ方などを変えることにより、日々の集客活動に変化を出していることでしょう。
今回は、そんなお店を持つ方に向けて、一店舗からでも出来るオムニチャネルマーケティングについてご紹介していきます。

オムニチャネルとは何か?


オムニチャネルというのはざっくりいうと、「すべての経路から」という意味で、主にデジタルマーケティングが普及したことで広まってきた言葉ですが、実店舗とネットショップなどを持つ企業が注目されたのをきっかけに、多くの企業で意識しマーケティングに取り入れている者となっています。

オムニとは?チャネルとは?

オムニとは、直訳すると「すべての」という意味を持ち、チャネルとは「接点」や「経路」を示します。
つまり、オムニチャネルとはすべての経路という意味や、すべての接点という意味を持ち、商品やサービスを提供する企業が、デジタルマーケティングが普及したことで、アナログ的な手法である実店舗と、デジタル的な手法であるネットショップをそれぞれの強みを活かして総合的に顧客を獲得するという目的のもと、利用されています。

世の中にある様々なチャネル

チャネルと言う言葉は、様々なところで利用されていますが、一般的にマーケティングチャネルは以下の3種類に分けられると言われています。

・販売チャネル
・流通チャネル
・コミュニケーションチャネル

・販売チャネル
こちらは、販売する場所を指しているもので、実店舗であったり、フリーマーケットであったり、ネットショップであったり、販売する上でどのチャネルを利用するかといったものになります。

・流通チャネル
流通チャネルとは、商品を販売するサービス提供・商品提供側から、商品やサービスを購入する購入者に商品やサービスをどのような流通手段で提供するかと言うものです。
具体的には配送方法や小売り・卸売りなどの情報を指したものです。

・コミュニケーションチャネル
コミュニケーションチャネルとは、商品やサービスを提供する側が購入者への情報伝達手法としてどのような手法を取るかと言うもので、Web上ではメールやWebサイト、SNSなどの情報発信から、アナログではダイレクトメールや電話営業などが挙げられます。

オムニチャネルが注目されている背景

オムニチャネルが多くの企業で利用されるようになった背景としては、スマートフォンの普及やインターネット環境の普及が強いと言えるでしょう。
また、コンビニエンスストアやドライブスルーなど時間をかけずに「いつどこでも」というサービスが世の中に増えたことで、便利な世の中が当たり前になったことも挙げられるでしょう。
便利な世の中になったことで、消費者はいつでもどこでも欲しい商品を欲しいタイミングで購入することができ、それが出来ない場合にはその企業からの購入をやめ、今すぐに購入できる別の企業からの商品を購入するという流れが当たり前のようにできています。
一昔前まではお気に入りの企業から商品を購入することが一般的で、大手百貨店で商品を購入することは一種のステータスの様なものになっていた時代でした。
しかしながら、今では商品やサービスが溢れており、どの企業から購入するかよりも、いかに安くて速くて便利に購入できるかの方が選択肢としては重要になっている人が多くなっているようです。
オムニチャネル戦略が生まれた理由
そのような背景から、企業としても、自社の商品やサービスを購入してもらうため、様々なチャネルにおいて購入が出来るように顧客の取りこぼしをしないための手法としてオムニチャネル戦略をとっている企業が多く存在します。
多くのライバル企業が存在する中で、顧客が購入したいタイミングで商品が販売できなければ商品を販売する機会損失が生まれ、テレビCMやそれ以外の広告宣伝費をかけたとしても最終的な販売につなげる機会を失ってしまいます。
そのような機会損失を生まないためにも、オムニチャネルマーケティングを行い、お客の購入したいタイミングや手法での販売を強化するようになったと言われています。

オムニチャネルのメリット


オムニチャネルマーケティングを行うメリットはどのようなところにあるのでしょうか。

顧客を取りこぼさない

オムニチャネルマーケティングを行うことにより、一人一人の顧客に対して最適なマーケティングを行うことが出来るため、顧客の取りこぼしを最小限に抑えることが出来ます。
顧客のニーズが広がることでニーズのある顧客を取りこぼしてしまうことが発生しますが、オムニチャネルマーケティングを行うことで顧客の購入したいタイミングと方法での購入を可能にすることで、取りこぼしを最小限に抑えることが出来ます。

顧客の満足度を上げる

顧客のニーズに応えてオムニチャネルで商品購入が出来ることで、顧客を取りこぼすだけではなく、顧客の目線に視点を置くと顧客の満足度を上げていることになります。
顧客は「面倒」「時間がかかる」「難しい」「手間がかかる」といったことが発生すると商品購入の意識が薄れていきます。
そのような意識を薄れさせることをしないだけではなく、それらが改善され顧客にとってメリットになるというのがオムニチャネルマーケティングの強みの一つになります。

O2Oマーケティングとの違い

オムニチャネルマーケティングの話になると、比較対象として名前が出るのがO2Oマーケティングです。
O2Oマーケティングとオムニチャネルマーケティングの違いについて見ていきましょう。

O2Oマーケティングとは?

O2Oマーケティングとは、オンライン・オフラインの頭文字をとったマーケティング手法で、オフラインでのマーケティング活動とオンラインでのマーケティング活動を行うことを言います。
オフラインでのマーケティング活動は、チラシの手配りや電話営業などによるアナログ手法によるもので、オンラインでのマーケティング活動はWeb広告やSNSの利用などを表しています。

オムニチャネルマーケティングとの違い

オムニチャネルマーケティングは、オンラインやオフラインでの活動ももちろん行いますが、それだけではなくオンラインでもオフラインでもどのようなチャネルにおいても同じサービスが受けられることや、それぞれの強みを活かしたサービスを提供できること、それぞれが連携してチャネルの意識を指せない手法がオムニチャネルマーケティングです。
そのため、オムニチャネルマーケティング手法の方法としてO2Oマーケティングがあると考えて良いでしょう。

マルチチャネルとの違い

O2Oマーケティングと同様に、オムニチャネルマーケティングの説明で良く出てくる言葉がマルチチャネルという言葉です。
このマルチチャネルは実店舗やオンラインの店舗(ECサイト)、カタログ通販など商品を購入する方法が沢山あるようなものをいいますが、あくまでも購入するチャネルの広がりを表しているものです。
一方、オムニチャネルマーケティングは、それぞれのチャネルを多くするということではなく、すべてのチャネルでつながりを持ち、それぞれ顧客のニーズに合わせてそれらのチャネルを組み合わせて商品の提供を行うというものです。
例えば、実店舗においては手渡しで商品をお渡しするのが一般的で、ECサイトにおいてはネットショップで支払いをする、つまりネット上でクレジットカードなどを入力して購入することが一般的ですが、オムニチャネルでは、それらの「これだったらこの方法」という概念を無くし、実店舗においても郵送での商品受け取りが可能にすることや、ECサイトでの購入をリアル店舗で検討し、リアル店舗でECサイトの商品を購入し支払いをするということが可能になっています。

オムニチャネルを成功させるポイント

オムニチャネルマーケティングを成功させるためのポイントを見ていきましょう。

いつまで・どこまでを作る

オムニチャネルに対応したマーケティングを行うためには、「いつまでに」やるのか、「どこまでを」やるのかを明確にします。
基本的にはオムニチャネルマーケティングでは、オムニチャネルつまり全てのチャネルを連動させることが必要ですが、オムニチャネルでどこまでを連動させていくのかは企業ごとに策定することが必要です。

体制を作る

実際に「いつまで」「どこまで」が策定できたら、それをどのような体制で行うのかを検討します。
とりあえずやろう!では先に進みません、まずは体制づくりをしましょう。

システム化

オムニチャネルマーケティングでは仕組みづくりが欠かせません。
仕組みづくりをするということはアナログの手法だけでは追い付かないため、システム化をすることが必要不可欠と言えるでしょう。
しかし、何店舗も実店舗を抱えている企業じゃない場合には、高額なシステムを導入する必要はないケースもあります。

複数店舗を実店舗でもつ場合にはレジの変更も

POSレジを導入していない企業などはPOSレジなどを導入することで、受発注を仕組化することができ、次の日の仕入れ情報などを取りまとめて簡潔に発注することなどが出来ます。
これらをシステム化することもオムニチャネルマーケティングに近づける一つの方法です。

オムニチャネルマーケティングの事例


ここからは、実際にオムニチャネルマーケティングを行っている企業の中でも、大企業と呼ばれる企業の取り組みについて見ていきましょう。

イオンのオムニチャネルマーケティング

イオンと聞いて知らない人はいないくらい、全国でも多くの消費者に対して食品や日用品などを提供し、人々の暮らしの中では必要不可欠な存在となっています。
そんなイオンでもオムニチャネルマーケティングを行っており、デジタルシフトした考え方で多くの消費者の「わずらわしい」という課題に対して解決してきました。
その中の一部として、イオンではECサイトで購入した商品をロッカーで受け取ったり、ドライブスルーで受け取ったりするサービスを開始しています。
いかに楽に、簡単に商品を購入して受け取れるかを意識した取り組みと言えるでしょう。

資生堂のオムニチャネルマーケティング

資生堂では、マルチチャネルのマーケティング活動を広く行っており、それらを含めてオムニチャネルマーケティングを行っている企業です。
ロイヤルカスタマーとしての顧客を育てるため、実店舗でのカウンセリングや商品販売はもちろんこと、Web上ではコンテンツマーケティングを実施し、ユーザーに対して化粧品の知識だけではなく、美を追求したコンテンツ作りを心掛けており、資生堂の商品だけではなく、ユーザーに対して美についての情報発信をおこないつつ、別サイトでは実店舗の紹介や商品の紹介などを行っています。
また、MA(マーケティングオートメーション)ツールを利用することで、顧客の行動を把握し、最適なタイミングでLINEによるアクションを行うなど、最適なタイミングで最適な情報を届ける仕組みを作っています。

オムニチャネルの抱える課題

オムニチャネルマーケティングは全てメリットと言うことではありません。
オムニチャネルマーケティングにも課題があり、それは以下の2点があります。

チャネルが多くなることで統制をとるのが大変

多くのチャネル展開をすることで、それらの統制をとるのが大変になります。
一般的には部署間での部長や課長などがその部門における売上管理などを行いますが、チャネルが複数になることで、組織図としても複雑化する可能性があり、部署間での連携が出来ずに縦の意識が強い組織では体制をとるのが難しいでしょう。

それぞれが競合する

チャネルが多くなることで、実店舗での売り上げが低くなる可能性もあります。
ネットショップの方が手軽で手間もないため、実店舗で商品を探して試着してみて実際にはネットショップで購入するという流れが作りやすくなり、リアル店舗での売上が少なくなり、店舗単体での利益は少なくなる可能性もあります。
しかし、総合的に見ていけばそのデメリットもデメリットではないことが理解できるでしょう。
店舗単体で見ると経営赤字の様な状態になる可能性もありますが、総合的に見ると良いでしょう。

一店舗でもオムニチャネルは実現する

オムニチャネルマーケティングは、大企業だけが行うマーケティング手法ではありません。
一店舗を持つ企業でも、オムニチャネルマーケティングは実現します。
たとえば、一店舗において英会話教室などを行っている企業では、実店舗での英会話教室を行いながら、インターネットを利用したeラーニングやSkypeなどを利用したネット講座などを行うことで、オムニチャネルな展開をすることが出来ます。
リアル店舗に通いたい顧客がいる一方で、サービスの購入はリアル店舗で行いながら、実際には自宅で授業を受けたいという人もいるでしょう。
逆に、サービスの購入はネットで行い、やり取りも全てネット上で行いたいが、実際のスクーリングは教室に行って行いたいという人もいるでしょう。
このような多様化したニーズに応えていくことは大企業にだけ課せられた課題ではなく、実店舗を持つ企業であればどの企業も課題として抱えるべきでしょう。

オムニチャネルにおけるモバイル機器の持つ可能性

オムニチャネルマーケティングと言う考えが広まっていく中で、スマートフォンの機能が普及していくことで、世の中の商品購入者と提供者の活動が変わっていくと言われています。
例えば、現在でもGoogle MAPなどと連携し、GPS機能を取り入れた「場所」の情報をサービスに取り入れている企業もあります。
お店の近くにいるだけで情報をLINEから送られ、その情報をもとに割引を受けるなどスマートフォン片手にリアル店舗でサービスを受けるということは、もう当たり前になっています。

まとめ

ここまで、オムニチャネルマーケティングについて、メリットや実施のポイント、一店舗でも展開できることなどをご紹介してきました。
オムニチャネルマーケティングはO2Oマーケティングやマルチチャネルマーケティングとは違い、マルチチャネルやO2Oマーケティングを利用したうえで、すべてのチャネルを連動させ、顧客のニーズに合わせた購入方法や利用方法、サービス提供方法や商品の受け取り方法などを提供するもので、これからはこのようなすべてのチャネルに連動させるというサービスが当たり前になっていくでしょう。
デジタルサービスやツールを利用した様々な展開が、店舗を一つでも持つ企業にとっては避けられないと言えるのではないでしょうか。