デジタルマーケティング戦略の基本とトレンド

知識欲ある者がデジタルマーケティングを制す

マーケティング戦略を行う上で現代では外せないデジタルマーケティング。
これまでWebマーケティングを行ってきたマーケターの方も、アナログ時代からマーケティングに携わってきた方も、デジタルマーケティングが重要視されてきている中でデジタルマーケティングの知識を持たなければ戦えない時代となっています。

ベテラン・新人問わず、すべてのマーケターの方に向けて、今回はデジタルマーケティングの基礎から最近のトレンドについてまで詳しくご紹介していきます。

 

デジタルマーケティング戦略とは

デジタルマーケティング戦略とは、その名の通りマーケティング戦略の中でもデジタルを利用したマーケティング戦略のことです。
デジタルとは具体的にどのようなものが対象かというと、Webサイト・Web広告・LINEやfacebookなどのSNS・動画コンテンツやVRなどインターネットにつながっているデジタルデータのことです。

Webサイトやブログなどは以前からあるインターネット上のサービスですが、現在ではスマートフォンの普及などによりLINEやfacebookなどのSNS、アプリケーションなど多くのサービスがインターネットを通して利用でき、多くの人がそれらのサービスを利用しています。

かつてWebマーケティングが流行っていましたが、Webマーケティングもデジタルマーケティングの一つに過ぎず、いまではWebマーケティングよりもSNSマーケティング、つまりSMM(ソーシャルメディアマーケティング)が注目されています。
このSMMもまたデジタルマーケティングの一つであり、デジタルマーケティング戦略とはそれらWebマーケティングやSMMを総称したものと考えてよいでしょう。

 

デジタルマーケティング戦略を行うためには

段階的かつ計画的にデジタルマーケティング戦略を行う際の重要ポイントなどを見ていきましょう。

デジタルマーケティング戦略に必要なステップ

ここからは、デジタルマーケティング戦略を行うために必要なステップをご紹介していきます。

1.目的・ゴールを設計する
目標や目的は明確にしておきますが、デジタルマーケティング戦略は特別なことではなく、本来のマーケティング戦略をデジタルの部分に注目して行うものです。
マーケティングにゴールがあるように、デジタルマーケティング戦略にもゴール設計をします。
大事なことは、何のためにデジタルマーケティング戦略を立てるのかです。

2.セグメントし、ターゲットを決める
デジタルマーケティング戦略を立てるためには、ペルソナの設定が欠かせません。
本来は市場分析などを行いますが、マーケティングの段階で市場調査が出来ているのであれば、市場をセグメントし、ターゲットとなる人物像をペルソナ設定でターゲティングします。

※ペルソナとは…
ペルソナとは、ある一定層のターゲットを決めるというだけではなく、完全に一人をイメージするものです。
このペルソナ設定を行うことで、各部署間でも共通のターゲット像が生まれ、ターゲットに対しての理解が共通化され、迅速に効果的な戦略を立てやすくなります。
ペルソナ設定をするときには、出来るだけ細かく、自社のサービスや商品を購入して喜んでくれる人の像を作ります。

3.ポジショニングをする
ポジショニングとは、自社の立ち位置を決めるということです。
自社のサービスや商品がペルソナ設定をしたターゲットに対してどのような立ち位置にいるのかを明確に決めます。


その際に活用していただきたいのがポジショニングマップ。縦軸と横軸の2本の線を作り、それぞれ4つの項目に分けて競合他社や自社の立ち位置を把握します。項目は「価格」「品質」「手軽さ」など商品やサービスによって異なるため、企業、サービスや商品ごとに定めましょう。

4.カスタマージャーニーマップの作成
カスタマージャーニーマップとは、顧客が自社の商品やサービスと出会ってから、購入に至るまでの消費行動をマップ化したものです。

顧客が買う理由や行動する流れが不明確なままだと、いつまでもその場限りの戦略しか立てられず、次の戦略に活かしていくことが困難です。
しかし、デジタルマーケティングの世界では、カスタマージャーニーマップがその通りになっているのかを分析・解析することが出来るため、仮説であるカスタマージャーニーマップを作ることでギャップを見つけ、ギャップを修正していけます。それが次なる戦略。

デジタルマーケティング戦略では仮説を立てることが重要で、その理由としては大半の情報はデジタルデータで解析でき、仮説を検証することが可能だからです。
仮説とギャップの課題を埋めることを続けていくことがデジタルマーケティング戦略の強みです。

5.KPIの設定
顧客が購入する流れがイメージ出来たら、次にKPIの設定をします。
KPIとは、既述ステップ1で決めたゴールとなる目標数値(売り上げなど)を達成するために、デジタルマーケティング上で獲得する見込み客の獲得を目標設定したものです。

例えばWebサイトの集客から売り上げ獲得をしていきたい場合、目標となる売り上げまで到達するためにどれくらいの集客をするべきかを決めるのがKPIです。
どのツール(サービス)から、どれくらいの集客をするのか、カスタマージャーニーマップを含めた全体像から作っていくことをおすすめします。

 

重要なポイントを抑える

デジタルマーケティング戦略を行うためには、以下のポイントを押さえて行うと良いでしょう。
◆顧客を深く理解する
デジタルマーケティング戦略に限ったことではないですが、カスタマージャーニーマップを作成するなど顧客の行動を理解して行動の中でどの部分で接点を持つのかが重要なポイント。
そのためにも顧客を深く理解することが必要です。

◆常に最適化していく
デジタルマーケティングは測定を数値化できるため、数値化されたデータから仮説とのギャップを把握し、ギャップをもとに仮説を立てて戦略を立てます。
その繰り返しが必要ですが、デジタルマーケティングはそのPDCAを速く回せることが特徴の一つです。

◆ビッグデータなどを活用する
デジタルマーケティング戦略は”情報戦略”です。
情報を持っている人が強く、効果的でより成功につながる戦略が立てられます。
アンテナを張り、ビッグデータなど利用できるものはどんどん利用しましょう。

 

デジタルマーケティングが必要な理由

デジタルマーケティング戦略が必要とされる理由は、企業が抱える悩みを解決できることやデジタルマーケティングが持つ強みに魅力があるからでしょう。

デジタルマーケティングが持つ強み

デジタルマーケティングはすぐに軌道変更できることや、数値化されたデータにより顧客の行動や顧客の心理などの仮説が立てやすいことにあります。

役立つツールも様々あります。
例えばWebサイトではヒートマップツールというツールがあり、サイト内のどの部分がクリックされているのか、どこまでサイトを閲覧してくれているのか、どのくらいの時間サイトに滞在しているのかなどを解析することが出来ます。今まで見えなかった顧客の心理や行動がすべてデータとして蓄積されていくため、よりリアルな仮説が立てられるようになります。

今では、一人一人のマウスの動きを追えるツールも出ていて、さらに各人の行動に注目した戦略を立てられるようになっています。

 

デジタルマーケティングで解決できる営業課題

どのような商品やサービスを販売するにしても、顧客は「新規顧客」か「リピーター顧客」のどちらかです。
そして、まずは新規顧客の獲得がどの企業にも課題となり、新規顧客を獲得するためにはリード獲得という見込み客の獲得が必要になります。

本来、アナログ形式の営業活動であれば、見込み客の獲得にはアウトバウンド形式の電話営業やDM(ダイレクトメール)、飛び込み営業、テレビコマーシャルやラジオコマーシャルなどのマス媒体などを利用するといった方法がありました。
それらは必ず費用が掛かり、マルチチャネルで販促活動を行っても一人の見込み客を獲得するのにも苦労したものです。

しかしデジタルマーケティングの世界では、パソコンとインターネット一つでリード獲得ができ、情報と技術さえあれば一人でも戦略を立てて実行することが可能となりました。
デジタルマーケティング戦略が求められ、デジタルマーケティング戦略を行う企業が増えてきたのは合理的な理由があるのです。

 

デジタルマーケティングのトレンド

ここからはデジタルマーケティングのトレンドについてご紹介していきます。

モバイル最適化

トレンドとなっているモバイル最適化。モバイル最適化とは、Webサイトをスマートフォン対応するように改修したり再構築したりするものです。

スマートフォン対応していないWebサイトは、Googleからの評価も下がり、検索上位に上がらないような仕組みが出来上がっています。
Googleはモバイルファーストという考え方をもってサービスを提供しています。
しかし、Webサイトのスマートフォン対応だけがモバイル最適化ではなく、店舗を構える企業でいえばポイントスタンプをアプリを利用して利用できるようにすることやスマートフォンの位置情報などを利用したプッシュ通知といった手法なども含まれます。
今の時代に求められているのは「誰でも手軽に」なのです。

ソーシャルメディアマーケティング

ソーシャルメディアマーケティングとは、facebookやTwitter、LINE、InstagramなどのSNSを利用したマーケティングです。

双方向のコミュニケーションが図れるソーシャルメディアマーケティングの特徴は、一方的な情報伝達とは違って顧客にも主導権があるという点。
顧客にも主導権があるということは、情報は顧客から発信され、良ければ多くの口コミが集まり、悪ければ炎上という企業にとってはマイナスになることも起こりえます。
しかし、今はSNSは誰もが利用するサービスとなっているため、企業にとっては無視できない市場と言えるでしょう。

アドテクノロジー

次に、アドテクノロジーです。
アドテクノロジーとは、アドネットワーク・アドエクスチェンジ・DSPなどインターネット広告を効率よく効果的に利用する技術のことで、広告利益の最大化を図るものです。

看板やチラシ、電車の中吊り広告、DM(ダイレクトメール)など、新規顧客の獲得などに企業は様々な販促媒体を利用しますが、販促媒体の中で広告の売り上げが伸びているのはWeb上の広告のみと。それほどインターネット広告の利用者は増えており、広告効果は出ていると考えてよいでしょう。

ウェアラブルデバイス

「身に着けられる」という意味を持つウェアラブルは、腕や足、服に首などにデバイスを身に付け、身体から発する情報から健康状態の管理はもちろんのこと、メールや電話の受信などを確認することが出来ます。
今はまだ活用方法については少ないですが、ウェアラブルデバイスを多くの人が使えば、それらを利用したデジタルマーケティング戦略が広がっていくと考えられています。
代表的なサービスとしては、Apple WatchやGoogle Glassなどがあります。

ビーコン

位置や情報を取得するビーコンを利用したサービスはすでに始まっています。
ビーコンは顧客と店舗などを繋ぐために利用されており、店舗を訪れるだけでポイントが付いたり、顧客情報が店舗側で受信出来たりと、効果的な営業戦略を展開できます。
店舗を持つ企業では今後導入検討が必要なデジタルマーケティングと言えるでしょう。

VR

VRはバーチャルリアリティの略で、これまでご紹介してきたトレンドの中でも身近でイメージしやすいかもしれません。

VRは疑似世界を360°の映像として楽しむものとしてスタートしましたが、Webサイトと連動して店の中にいるような体験が出来たり、車の運転の練習などにも利用されたりしています。
これからは楽しむだけのサービスとしてだけではなく、医療現場など多方面で活用されていくようになると言われています。

動画マーケティング

動画コンテンツを利用した動画マーケティングもトレンドの一つです。
小学生や中学生だけではなく大人も動画を楽しむ現在は、デジタルマーケティングを行う上では外せません。
動画コンテンツの利用は広告などを介したケースが多かったのですが、最近はコンテンツを利用することでサービスや商品の使い方の紹介やテレビコマーシャル連動など、動画コンテンツを使ったマーケティング手法も多く存在しています。
このように、デジタルマーケティングのトレンドは多く存在し、すべてを利用して戦略を立てることは大変ですが、これからも様々なトレンドが出てくるでしょう。

マーケティング担当者は、出来るだけ多くのデジタルマーケティング戦略の手法を理解し、自社のサービスや商品に合ったデジタルマーケティング戦略を選択することが必要です。

 

デジタルマーケティングは今後も進化する

デジタルの情報は常に進化し古いものは淘汰されていきます。
その都度時代に合ったデジタルマーケティングの手法を利用していくことが、マーケティング担当者には求められています。

進化するデジタルマーケティングをうまく利用していくコツは、新しい情報にアンテナを立て利用してみること。全てのサービスやツール、やり方が良いものとは限りませんが、情報を取得して、自分たちで取捨選択することが求められています。

 

まとめ

デジタルマーケティング戦略のトレンドは常に変わるものです。
今回ご紹介したトレンドを多くの企業で利用するために試行錯誤していますが、慣れてきたときにはまた新しいトレンドが存在するはずです。
進化を続けるAIを利用したデジタルマーケティングにも注目が集まっています。

しかし、マーケティングの考え方はたとえデジタルになったとしても根本的なものは変わりません。
マーケティングを行う際には、トレンドだけではなく、基本的な考え方を抑えてマーケティング活動を行っていくことがベスト。効果的なマーケティングを行うためにもデジタルマーケティングを理解し、アンテナを張って情報に敏感になりましょう。