企業存続に欠かせない「ブランディング」について

「私の会社ではリンゴの絵がついたスマートなコンピューターを販売しています」
これはどこの会社かわかりますか?そう、アップル社です。
誰もが知っているリンゴのロゴマークとおしゃれでスマートなコンピューターを販売していると言えば、だれしもアップル社と答えるでしょう。
今ではそのアップル社ではパソコンよりもiPhoneの方が有名になっています。

誰もが知っている、誰もがイメージできる、誰もがその名前に力を感じる。これこそ企業が持つ「ブランド」です。

ブランディングをしている企業と、そうでない企業では、企業を存続させていく部分においては長期的に見ると大きな差になる場合があります。
今回は、企業の長期存続には欠かせない「ブランディング」についてご紹介していきます。

 

ブランドとは?

ブランドと聞くと、どのようなイメージが湧きますか?
ヴィトン?プラダ?グッチ?
ブランドという言葉は、いまやカバンやサイフなどの高級品として有名なヴィトンなどの企業を連想させるものとなっています。

元々、ブランドという言葉が使われていたのは、家畜などを区別するためのもの。それが今では「他社との違い」という意味でブランドという言葉が使われるようになっています。
ファッション業界のみならず、様々な分野でブランドの力は発揮されており、ブランディングが出来ている企業は売り上げや利益などにも良い結果をもたらしていることでしょう。

ブランドというのは、その言葉を聞いただけで商品やサービスが連想され、価値あるものとして消費者に印象付けられている”イメージ”。ブランディングをすることは、企業の価値や企業が持つ商品やサービスへの価値をつけるといったものととらえて良いでしょう。

 

ブランディングで成功している例

ブランディングの成功例をいくつか見ていきましょう。

スターバックス

ブランディングのお手本として出されるのがスターバックスです。
スターバックスのイメージはどのようなものでしょうか。きっと、おしゃれでゆったりとできるカフェというイメージを持つ方が多いのでは?

スターバックスのブランディングはそこにあり、コーヒーが飲めるチェーン店はドトールやタリーズなど競合店がたくさんありますが、スターバックスが力を入れているのは「店づくり」と「コーヒー」です。
コーヒーが飲めるお店なので、コーヒーに力を入れることはもちろんですが、店づくりに関しては他店のようにキレイで入りやすいお店作りをするというよりも空間づくりをしています。
スターバックスはコーヒーを提供しているのではなく、空間を提供しているという考え方があり、長時間でもゆっくりしていても良いという空気を全面的に出しているため、他チェーン店と比べて特別な存在として消費者から認められているのでしょう。

マクドナルド

マクドナルドという言葉を聞いたことが無いという方はいないでしょう。
マクドナルドはハンバーガーショップとして消費者にハンバーガーやポテト、飲み物などを提供していますが、消費者はみな「ハンバーガー」を食べているという感覚よりも「マクドナルドを食べている」という感覚の方が強いでしょう。
マクドナルドに行こうと思ったとき、「ハンバーガー屋に行ってくる」というよりも、「マクドナルドに行ってくる」の意味になるのです。

ハンバーガーではなく、マクドナルドという商品を作り上げるまでには様々な試行錯誤があり、時には最安値ハンバーガーショップとして1つのハンバーガーが数十円で購入できるという時期もありました。
強いブランドにしていくためには長い時間をかけて消費者に印象付けていくことを行うことも必要でしょう。

吉野家

「早い・うまい・安い」と三拍子そろった牛丼屋と言えば吉野家です。
吉野家は一時期牛肉が輸入できない問題で営業ができない時期もありましたが、豚肉などに切り替え困難を乗り越えてきました。

吉野家の「早い・うまい・安い」ですが、創業当初(1899年)には「うまい・早い」がキャッチフレーズだったようです。
それから「早い・うまい・安い」になり、消費者は「牛丼といえば吉野家」と牛丼という食事をイメージしたときに吉野家が浮かぶほど、消費者の心に刻み込まれているお店となっています。
他にも牛丼屋さんはありますが、今でもオレンジ色の看板を見ると、牛丼屋ということは誰しもが認知していることでしょう。

リッツカールトン

リッツカールトンは日本にもある有名なホテルですが、リッツカールトンが有名になった一つの言葉に「ホスピタリティ」があります。
ホスピタリティとは日本のおもてなしに似たもので、「サービスを超えたサービス」であるとリッツカールトンは定義しています。
リッツカールトンで知られている話の一つに「コーラを1,000円で提供する」というのがありますが、リッツカールトンでは1,000円するコーラでも飲みたくなってくる顧客もいるほど愛され、一度は泊まってみたいホテルとして人気を集めています。

ホスピタリティあるホテルとしてのブランドを作ってきた背景には、「ストーリー」があります。
それは、ホテルに訪れた顧客に対して、一人一人の従業員は10万円まで自分の判断でお客様のためになるだろうことを判断し、使って良いという権限を持たされています。そのため働く従業員はお客様のために出来ることはないかと必死になり、ここぞというポイントを見つけ、お客様に最大のサービスを提供し、それによりお客様の満足度がアップ。
高くても泊まりたいホテルというブランドを作り上げたのです。

このように、様々な企業でブランディングは行われ、現在よく耳にする、目にする企業は苦労を重ねて今のブランドを作り上げています。

 

ブランドが持つ役割

ブランドが持つ役割はどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは消費者・売り手側という2つの目線で考察します。

消費者側にとってブランドが持つ役割とは

消費者側にとってブランドが持っている役割3つに分けることが出来ます。
①識別をするための役割
これは他の製品と比べての識別の意味となります。
例えば、「アップル製の」と言えば、誰しもがMacやiPhoneをイメージするように、その言葉や企業名だけで識別できるという役割です。

②信頼するための役割
有名な会社だからとか、日本で作られたものだからとか、日本の企業だからというような信頼という役割もあります。

③価値としての役割
例えば「良い車に乗りたい」「良い服を身に着けたい」「良い家に住みたい」というステータスの様なもので、ベンツやBMWなどの高級車やGUCCIやCHANELなどの高級ブランドなど、高級ブランドはわかりやすい価値がありますが、高級なものだけではなく「あの会社が持つイメージの家に住みたい」というものや「あのステキなデザインをする服を着てみたい」など人によって価値観は異なりますが、ブランドが持つイメージを価値として感じる方もいます。

売り手側がもつブランドの役割

売り手側が持つブランドの役割は、以下の3つに分けられます。
①競合他社との差別化
競合他社との差別化を図ることが売り手側が持つブランドの役割の一つ。マクドナルドや吉野家のように競合店がいるにも関わらずハンバーガーショップや牛丼屋の大手として君臨できるのは、圧倒的なブランド力があるからでしょう。

②長期的な顧客の獲得
ブランド力があるということは、長期的に顧客を抱え込むことが出来ます。
例えば、吉野家というブランドが好きな顧客はたまに吉野家以外のお店に行くこともありますが、最終的には「やっぱり吉野家だな」とリピートすることも多くなるわけです。
このように長期に渡って顧客を掴むことが出来るのもブランドの強みと言えます。

③企業が目指すゴールの共有
ブランドを確立することによって、スタッフと顧客の間に企業が目指すゴールが共有化されやすくなります。
リッツカールトンの例でみると、働くスタッフも泊まる顧客も「リッツカールトンにはサービスを超えるサービス、ホスピタリティがある」という共通認識を持っています。働くスタッフは企業が目指すゴールが明確にあるため、顧客に提供するおもてなしもスタッフごとにやり方は違えど、いきつくゴールは同じになります。顧客も期待する接客を受けられ、企業へ期待するサービスが実現されやすくなります。

このように売り手側が持つブランドの役割にも複数ありますが、消費者にとっても売り手にとってもブランディングは大切な戦略であると言えるでしょう。

 

ブランドが消費者に与える影響

ブランドが消費者に与える影響はどのようなものがあるのでしょうか。
それは、商品を超える価値という影響です。

ブランディングが成功し、消費者が企業や企業が提供する商品に対してブランドという認識がされると、その商品への価値よりもブランドとしての価値が高くなります。
例えば、「この商品のデザインがかわいいから購入したい」という欲求よりも「このブランドの商品だから購入したい」という気持ちが強くなることがあります。
同じデザイン、同じ価格、同じ色の商品をブランディングが出来ていない企業と出来ている企業の双方から提供されている場合に、後者から購入する方が圧倒的に多いでしょう。

これは、「このブランドから購入する」ことにメリットを感じているからです。
メリットに感じる部分としては、ステータスであったり信頼性であったりしますが、それらに価値を感じて購入に至るというのが、ブランドが消費者に与える影響と言えます。

 

デジタルマーケティングとブランディング

ブランディングを行う上で、現在ではデジタルマーケティングの存在が欠かせません。
ブランディング手段としては様々な方法がありますが、その中でもデジタルマーケティングは幅広い顧客層に様々な方法でブランド認知を高めることが可能です。

例えば、Webサイトはもちろんのこと、GoogleアドワーズやYahooリスティングなどの広告出稿、LINEやfacebook、InstagramなどのSNSを利用することによってブランディング活動を広く効果的に行うことが出来ます。
今までの広告媒体は新聞や雑誌、中吊り広告、テレビやラジオなど幅広い媒体を利用し、その中でブランディングするための広告を打ち、ブランドを確立していくために長い年月をかけて多額の費用をかけてブランディングしてきました。

しかし、現在では無料で始められるSNSを中心に、自社のブランディングを確立させていくための手法が溢れています。一昔前までとは違い、Webマーケティングを含めたデジタルマーケティングがマーケティングの中で主要となっており、SNSやWebサービスを利用することで、幅広い層に対して認知活動を行えるようになっています。

デジタルマーケティングの世界では情報が拡散されやすい一方、情報の中に埋もれやすいというデメリットもあり、認知されるスピードや量の多さの変化に伴ってデジタルマーケティング特有の課題も生まれています。
それは、良い意味でも悪い意味でも反応が返ってくるということです。肯定的なメッセージや反応を見る一方で、否定的な考えを持つ人もいるため、それらのネガティブな声が周りに広がっていく懸念も考えられます。
そのこともふまえてブランディング戦略は計画的に行うことが必要です。

 

ブランディングをするためには

ブランディングを企業が行っていくためには、どのようにするべきなのか、順を追ってみていきましょう。

1.自社のブランドを検討する
自社のサービスが他社と比べてどのような強みがあるのかを検討します。
強みだと思っているものが実際に長所の場合もありますが、強みと思っていないものが強みになっているケースもあります。自社だけで判断するものではなく、競合や市場を分析することによって見いだせる場合もあります。

2.市場・競合を調査
取り巻く環境や市場の調査を行います。
自社のサービスがどのような立ち位置であれば求められるのか、逆に求められるようになるにはどのような立ち位置が必要なのか、市場や競合を調査することも必要です。

3.ブランドの役割
自社の強みや市場の分析などが出来た後は、自社ブランドが顧客や自社に対してどのような役割を持つかを確認します。
ブランドを確立することでの利点や顧客にとっての価値を客観的に判断します。

4.ブランディングに必要な販促活動を考える
ブランディングは一日で成しえません。長期的に捉えて、どのような顧客に対して、どのような接点を持ち、ブランディングをしていくのかを考えましょう。
マーケティングの視点とも似ていますが、顧客のブランド認知度を高めるためには、やはり多くの場面で消費者の目に留まる必要があり、SNSやWebだけではなく、それ以外の媒体にも広告出稿するなどクロスメディア活動をしていくと一層の拡大性を図れます。

リブランディングという考え方

ブランディングの手法として「リブランディング」という考え方があります。
昔はよく売れていたブランドも、時間が経ち、時代が変わっていくことで取り残されていことがあります。
そのようなブランドを改めて違う価値として消費者に提供し、新たなブランドを作っていくのです。
それがリブランディングという考え方で、大切なことはブランディングも時代に合わせて「チューニングする必要がある」ということです。

 

まとめ

企業存続のために必要であるブランディングについてご紹介してきましたが、戦略をもってブランディングを行ことが必要であり、現在ではWebサービスやSNSなどにより認知される機会が多くなっています。
これからは計画的にチューニングしながらブランディングをして企業を長期的に繁栄させていくことが必要なのではないでしょうか。
企業の商品価値やサービスの立ち位置、認知度にお悩みの方がいらっしゃいましたら、ブランディングにぜひ目を向けてみて下さい。